あなたと 5 【HQ】 (ページ42)

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烏｢腕は自由に動くようになったみたいだな｣

何日か経ってようやく腕の自由が効くようになった

回しても、手を挙げても痛みは感じない

スポーツマンだからか、烏養さんが面倒見てくれたおかげでもある

そして毎日のように息を切らせて店に入ってくる

田｢…っ…ノヤ…っさん…速い…！｣

後から少し遅れて田中先輩

相変わらず関係は昔と何も変わらないまま

西｢今日はAが帰る日だ！｣

そう言いながら笑顔を向ける夕

変わらないまま

変わらないままだけど、恋人なんだ

滝｢まあまあ元気なお迎えだな｣

怪我もある程度治ってきている

足は少し複雑なのかまだなかなか治らないまま

だけどだんだん良くはなってるはず

だから、またこの日が来た

少し…いや、だいぶ寂しい

｢…お世話になりました｣

もうここに住んでしまいたいくらいだけど、迷惑極まりない。

さすがにそんなワガママはダメ。

私も強くならなきゃいけないから

烏｢持ってけ｣

そう言って渡された少し多めの肉まん

田中先輩と夕は大喜びしながら、食べ始めた

｢本当にありがとうございました｣

私が頭を下げると滝ノ上さんが近付いてきて肩を叩いた

滝｢Aちゃんのおかげで店も綺麗になったし、繋心の部屋も綺麗になったし…

逆に俺らもお礼する方だよ｣

そう言って優しく微笑んでくれた

恩返しはまだ足りないくらい

二人は十分だと言うけど、そんな簡単に返せるものじゃないのも分かってる

それくらい、二人には迷惑をかけた

すると肉まんを食べていた夕は私の隣に来た

西｢ありがとうございました｣

…何故

何故夕がお礼を言うのかは分からない

でも少しかっこよく見えた

滝｢あーあ、青春っていいよな。田中｣

そう言いながら田中先輩の肉まんを食べ始めた滝ノ上さん

よく分からないけど苦笑いをするしかない

私はまた頭を下げた

すると烏養さんが頭を掻きながら近付いてきた

烏｢まあ…なんだ、いつでも来れる所だし｣

少し気まずそうに照れくさそうにそう言ってくれた