あなたと 5 【HQ】

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言ってよかったのか、言わない方がよかったのか、よくわからない空気になってしまった








でも夕がなんて言うのか気になった









夕はずっと黙り込んで何か考えてるみたいだから、私も黙り込んでいた









しばらくすると、夕はまた真っ直ぐ私を見ていつもみたいに笑顔を向けた







…？








西｢お前が、彼氏を作ろうが好きな人ができようが、俺は昔からずっと変わらない｣








夕は落ち着いているように見えた








西｢今と同じようにずっとお前の事を考える｣









馬鹿みたいに明るくて正直な奴だってことは分かってる






だからこそ、胸が高鳴って鼓動が早い。









西｢いつか言ったように、近くにいて欲しい






離れず、ずっと｣









"ずっと近くにいてくれ




…離れず、ずっと"








夕はあの時言ってくれた言葉のようにそう言った








なんだろうこの気持ち







熱い



何かが沸き上がる








西｢Aが傷付けられて、怒りと悔しさでゴチャゴチャの気持ちで自然と出た言葉だけど






今改めてそう思う｣









苦しい






笑顔を向けてくれるけど、私は耐えられず顔を逸らした









西｢俺はAといたい｣









ひたすら苦しくて、息がしずらい







……っ








答えなきゃ








夕と同じなんだって









｢…っ私も…｣








言葉が出ずらい








すると前から手が伸びてきた






前を見ると夕が立ち上がって机に乗り出して、私の顔に優しく触れた








苦しいのも全部、泣いてるから。









西｢…俺はお前の事何でもわかる｣








そう言ってまたニカッと笑って、頬に流れる涙を拭った








誰よりも安心できて




楽でいられて




頼りに出来る






馬鹿みたいに正直な奴だから、やってくれるって期待まで出来ちゃう









夕は隣の椅子に座って、体を引き寄せた








西｢泣き虫だなぁ｣








近くで笑い声が聞こえる






言い返したいけど何故か言い返せない









体を離して、お互いの額を近付けくっつける









影山くんや、菅原さんみたいなドキドキとは違う








嬉しさ、楽しさ、ワクワクさ…






いろんな感情が混じったドキドキ









西｢お互い運がねぇもん同士だ｣








そう近くで笑う彼に釣られて私も笑った









キスなんて性にあわない






しなくても十分。








私達なりのスキンシップだから

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