あなたと 5 【HQ】 (ページ5)

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204 西谷ページ5

なんで、行かせたって思ったけど、きっと抜け出したんだろう

コーチが行かせる訳もないし、あんな反応を見てる

………そういえば…

西｢…アイツの携帯を見た時、兄さんからメッセージが大量だった

だから消したしもう来ないようにした｣

コーチも開くなと言ったはず…

西｢…でも、電話だけ一度出たみたいだった

…その時、完璧に心が動いたんだな｣

自分を求める人がいること

どんな相手だろうが、自分を愛してくれている人がいること

俺がその感情を壊したせいでこんな事になったってのもある

今考えるとほとんど俺が原因だ

烏｢…一度、留守電を聞いて泣いてた事があった

そこからもう動いてたのかもしれない｣

コーチは後悔しているようにそう言った

それほど求めていた

烏｢…洗脳に近い｣

…洗脳、か

コーチの言った通り平常心は保てなかった

するとコーチは少し顔を緩めて俺の肩に手を置いた

烏｢でも、もう大丈夫だろ｣

一瞬何を言ってるのかよく分からなかったけど、すぐに理解した

烏｢お前と話すようになって雰囲気も変わった｣

もうアイツの元に行かせたりしない

そう思わせることもしない

西｢俺が守ります

…ってコーチ達も守るんですよ｣

協力があっての今なんだから。

そう言うとコーチは少し笑っていた

すると俺達に近づく足音が聞こえた

田｢おーい、お二人さん。

もうみんな帰りますよ｣

辺りを見回すと、片付けはとっくに終わっていて先生もいなくなっていた

田｢しかも、その話ってここじゃなくても良くない？｣

龍は大きく溜息をつきながらそう言った

俺はコーチを見て、お互い顔を合わせると、思わず笑ってしまった

烏｢確かにそうだな｣

龍は遠くから見てて、話す内容に気付いていたんだ

それでも声を掛けず、中に入ってこなかったのは気を遣ってくれたからか

西｢…っしゃ！龍！早くアイツの所に行くぞー！｣

俺は急いで部室に向かった

田｢本当に大切なんですね｣

烏｢そうだな｣

そんな会話をしてるとは知らず、俺は昨日のように支度を急いだ