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236 烏養 ページ37

俺が思っていた反応とは違って、西谷は表情を曇らせた









西「昨日、俺が帰ったら泣いてました」








西谷はどこか苦しそうにそう言った







ひとまず俺は西谷の話を聞く事にした







西「前だったら帰ってきたら迎えてくれる人もいた




だから思い出して泣いてたんだと思います」








……それは、兄さんの事か…






西「部屋に入った瞬間、俺の家とは空気が違うし



本当に1人だから音も何もなくて






多分そうかなって」








Aは少々、兄さんに依存してるところがある






だから更に思い出してしまうんだろう








烏「本人にも言わなかったけど、アイツは時々兄さんの事を思い出してるはずだ





辛そうにしてるからすぐ分かる…」








思い出してることが悪い訳では無いけど、良いとも言えない








烏「あぁ、それでアイツがさっき

"もう少しお世話になりたい"って言ってきたんだが」







本題を忘れる所だった





そう言うと西谷は驚いたように少し目を丸くした








烏「俺は怪我もあるし構わないけど



お前はどう思う」








すると西谷は少し考えて笑顔を向けた








西「…いいと思います




Aがそう望んでるし、それなら泣くことも無いですし」







…………………






西「…今日も制服着るの手伝いましたし、家にいるのが辛そうだったから学校に連れてきました






コーチのとこなら安心ですし」









西谷が怪我が酷くても連れてきた理由は、Aが一人にならないようにって事か…








烏「嫌だったら嫌と言った方がいい」







西「嫌じゃないっす




Aがいないのでちょっと見てきます」









そう言って行ってしまった








嫌なら嫌と言え







西谷は無理して笑顔を作ってポジティブに行こうとしていた








近くに越してきたのに、何も守れていない事が悔しいんだろうな








西谷自身は嫌だけど、Aのため。







そう考えると、自分の意見なんかどうでもよくなる









…はぁ。








二人がどう思いあってるのか知らないけど





早くしないと他の人に取られるぞ、西谷〜。









Aの元に向かう西谷の姿を見て、足を止めてすぐに背を向けた菅原から俺は視線を外した









Aから兄さんを消すことは無理に近い





……まあ、今は怪我を治さなきゃな。

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PUPU(プロフ) - みくちゃんさん» 暖かいお言葉ありがとうございます!!! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
みくちゃん(プロフ) - PUPUさん» いえいえ!無理しない程度に頑張って下さい!笑 (2019年1月26日 11時) (レス) id: a47d306ddb (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - みくちゃんさん» 長々とお付き合いありがとうございます(´;ω;`) (2019年1月26日 10時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
みくちゃん(プロフ) - 1から見せてもらってます!凄く内容が引き込まれる感じで凄く面白いです笑 (2019年1月24日 11時) (レス) id: a47d306ddb (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - うへぇさん» ありがとうございます(/Д`;あともう少し…!頑張ります! (2019年1月20日 23時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2019年1月19日 18時

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