あなたと 5 【HQ】 (ページ33)

今日:36 hit、昨日:39 hit、合計:184,696 hit

232 ページ33

澤｢そしてまた大きな怪我……

帰った方がいいんじゃないか？

ボール当たったら危ないし…｣

部長さんは心配そうに怪我を見ながらそう言った

確かに邪魔にもなるし……

帰ろうかな…

そう考えた時部長さんが別のところに視線を移した

それは私の後ろで、私もそちらに視線を向けると見覚えのある姿があった

烏｢…え。何でこんな所にいんの｣

烏養さん…！

私を見るなり驚いていた

烏養さんはそのまま近付いてきて、腕や足を見た

烏｢…まだ治ってないのに学校来ていいのか？｣

そう言われて答えに迷った

怪我を治したいけど、学校にも行きたいし

何より余分な事を考えてしまうから。

…………

｢夕が行こうって…｣

そう答えると烏養さんは大きくため息をついた

澤｢…お知り合いですか？｣

ちょうど集まっていたみんながさらに不思議そうな顔をして見ていた

烏養さんは面倒くさそうに頭を掻いた

烏｢…まあ。

練習続けてくれ｣

そう言ってみんなは練習を再開

私は自然と烏養さんの隣にいた

烏｢…親は｣

すると、みんなには聞こえないよう響かないようにそう言った

｢…迷惑かけたくなかったので無理矢理仕事に…海外にまた行ってもらいました｣

そう言うと烏養さんはまた大きくため息をついて、みんなの事を見ていたけど私の方を向いた

烏｢何も出来ないんだからこういう時に甘えなきゃ意味ねーだろ…｣

今日の朝に改めて何も出来ないことが分かった

｢……烏養さん達に頼りっきりだったのがよくわかりました｣

……………………

…もう少しだけ…………

ふとそう考えてしまった

…ダメに決まってる

烏｢行きたい気持ちもわかるが、自分の体の現状をもっとよく見るべきだな｣

烏養さんが言うことが正論すぎて何も言えない

心に突き刺さっていく。

.

みんな休憩に入ったのかそれぞれ自由に動き出した

そして私の目の前には菅原さんが座り込んでいた

菅｢学校、来てなかったんでしょ

その怪我も、西谷と幼馴染みだって事も全部聞くからね｣

菅原さんはわざとらしく怒ったようにそう言った

謝ると、笑って私の頭を撫でた