あなたと 5 【HQ】

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『……A…？』








後ろからそんな声が聞こえて、夕と私は思わず振り返った









あぁ…久しぶり





同じクラスで、いつもお弁当を食べてくれる






一番仲のいい子









『…A！！久しぶり〜！！もう！！何で何も連絡返さないの！』









携帯にこの子から沢山メッセージが入っていたのは知っていた






有り難さと申し訳なさでいっぱいだった









西｢お！友達か！じゃあ、コイツを頼んだぞ！｣









夕はそう言って鞄を友達に預けた







『了解しました！！』








友達はそう言って荷物を受け取った









『…またそんな怪我…一体どうしたの…』







夕がいなくなると、途端に心配そうな顔になってそう聞いてきた







｢あはは…ちょっと自転車で転んで…｣









そういえば最後…




この子と帰ってる時だったな








なんて事がやんわり思い浮かぶ








『前から思ってたんだけど、Aってドジすぎる


転びすぎ！！！』








そう言ってちょっと笑っていて、私もなんとなく後ろめたさがあったけどつられて笑った









教室に近付いてくると、足を止めて深呼吸









『みんな待ってたよ』








緊張する心を落ち着かせていると、さらに友達が言葉を付け足してくれた









扉の前に立つと、一気に視線が集まる









落ち着かせたはずの心臓はまた早くなっていき、不安が大きくなる




自然と顔も俯いてしまう








『…Aちゃん！？』


『ってその怪我！』


『どうしてたの〜先生何も教えてくれないしさー』



…






そう言いながらいろんな人が駆け寄ってきてくれた







嬉しくて自然と笑顔で受け答え出来ていた








私は何日…いや、何ヶ月学校に来てなかったんだろう








『席に荷物置いておくね！』





｢ありがとう｣







そう言って自分の席に向かおうと体を向けると、隣の席の彼と目が合った









大きく胸が跳ねて、締め付けられる









…影山くん…








影山くんは驚いたように目を見開いてこっちを見ていた







お互い動けず体が固まったようだった






少し経つと影山くんは目を逸らして、立ち上がって教室を出ていってしまった








…………………








私は自分の席に座った








『もう〜今まで何してたんだよ〜



心配だったんだからな〜』






｢母ちゃんありがとう｣







不安でいっぱいな中そう答えた

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