あなたと 5 【HQ】

226 ページ27

西谷の家に連絡するとおじさんが来てくれて、夕をそのまま家に連れて行った








『Aちゃん、おかえり』






おじさんもそう言って微笑んでくれた









｢ただいま｣








私も笑顔で答えた







.








朝になって、一人でご飯を食べて身支度をする








…って腕通らない…







無理に動こうとすると激痛が走り、なかなか支度が出来ない








……一人じゃこんなに出来ないのか







烏養さん立ちに頼りっきりだった事が今になってよく分かる









するといきなり部屋に大声が響いた








西｢Aー！！起きてるかー！｣








玄関の鍵をあらかじめ開けておいてよかった






来ると思ってたから。









｢起きてるよ…｣







相変わらず朝から元気だ







着替え途中の私を見て、不思議そうに首を傾げていた






そして気付いたのか近付いて、制服に手を伸ばした









｢ありがとう…まだ着れなかったみたいで｣








なんとか制服を着ることが出来た








制服は綺麗だった







制服を着たのはあの時ぶり。









……







西｢いきなりあんなこと言ったけど大丈夫か？｣








夕は心配そうに私を見た






制服まで着たのに…







というより








｢怪我が酷くても行きたい｣








未だに顔のガーゼも取れていない






だけど早く学校に行きたかった








言ったところで何を話そうか、どう説明しようかなんて何も考えてない








でも早くみんなに会いたくて。








西｢その粋だ！｣








夕は楽しそうに笑いながら私の鞄を持ってくれた








｢遅くなったらごめん｣








明らかに夕が合わせてくれてる







出来るだけ早くしようとすると、夕は怒る







でも"レースにしたら楽しそう"とか言ってる








…よく分からない








学校に近付くにつれて見覚えのある制服の人達が目に入る






私の姿を見てコソコソしてる人もいる








………なんか、怖くなってきた







色々どうしたらいいのか、頭の中でぐるぐる回って心臓の動きも早くなっていく








そんな様子に気付いたのか、夕はいきなり私の前に立った








西｢心配すんな！俺がなんでも守ってやる！｣








そう言ってニカッと笑った








…本当に…






根拠なんてないけど、






｢頼もしいです｣







西｢それ嘘っぽいな｣







今の貴方なら確実に近いから、本当

227→←225

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す