あなたと 5 【HQ】

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烏｢話もちゃんとしてあります





…言っただろ？｣








烏養さんは私の隣に立ってそう言った









否定はできない





確かに言った







けど母さん、父さんが来るなんて。




いきなりなんて。








烏｢荷物…って言っても制服くらいしかないな｣








母さんと父さんは深刻そうな顔をして何度も頭を下げていた








その度烏養さんは気まずそうに笑って首を振った









私は、烏養さんと滝ノ上さんの顔を見ると二人は笑顔で頷いてくれた








"よかったな"






そう言ってるように。









しばらくすると、私は父さんに支えられ





2人はまた深々と頭を下げた









いや、急すぎるよ







私は頭を下げられなかった






怪我をしてるからというのもあるけど、なんか心が寂しく感じていた









だって、まだ何も出来てない








迎えが来るならその日までに何かしてあげられたかもしれない








いつも通りにぼーっと過ごしてたのに









母さんと父さんがいて気持ちは嬉しいはずなのに明るくもなれなかった









私は自然と俯いてると









烏｢A、頑張れよ｣









そんな声が聞こえて、胸が締め付けられた







さらに寂しく感じて悲しくなってくる









滝｢怪我早く治して！｣









顔を上げれば滝ノ上さんがいつも話すみたいに大きな笑顔を浮かべている









…うん






別にこれが最後の別れって訳じゃない







ここはお店だ







いつだって来れる









私はそう言い聞かせて二人に笑顔を向けて頷いた









すると2人はクスクスっと笑っていた









そのまま、私達はお店を出た









『いい人達ね』









母さんがそう言った








そしてハンカチで私の涙を拭った









泣き虫だから、母さんは慣れっこ






泣き虫だから、最後、2人は笑ったんだ









｢母さん、父さん…ありがとう｣









声が震える中、まず言わなきゃいけない事を言うと、2人は笑顔だけど少し悲しそうに







2人は私を抱きしめた








きっと父さんも最後なんだ









ごめんね…母さん









そして、烏養さん、滝ノ上さん






必ず恩返しするから…









大好きなみんなへ







ありがとう









ごめんなさい







強く気持ちを持てるようになっても




謝りたいのは変わらない

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