あなたと 5 【HQ】 (ページ16)

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烏｢学校、いつから行きたいんだ｣

烏養さんにそう聞かれたけどなかなか答えられなかった

行けるならすぐ行きたいけど、顔の傷もろくに治ってないし…

烏｢…あとで話がある

西谷も交えて｣

そう言って学校へ行ってしまった

…なんだろう

烏養さんは少し真剣な目をしていた

滝｢Aちゃんにとっていい事だよ｣

不安だった私にそう声を掛けてくれた

…滝ノ上さんも話の内容知ってるのかな？

滝ノ上さんは優しく微笑んで私の頭を撫でた

.

烏養さんが帰ってきて、その後に夕も入ってきた

今日は田中先輩はいないみたい

烏｢朝の事だが｣

烏養さんと夕は私の近くに座って話し始めた

声のトーンからして真剣だった

真剣だけど堅苦しい空気ではなかった

西｢…Aはもうあの家には帰らなくていい｣

烏養さんではなく夕がそう話し始めた

…………………？？？

西｢前の…俺の家の近所の昔の家がお前の新しい家だ｣

…？？？

何を言ってるのか理解するのが時間がかかった

西｢だから、昔よく遊んだあの家。

引っ越す前の家、元の家にこれから住むんだ

あの家は売り払ってないから、おばさんがそうしてくれた｣

なんとなく理解はできてる

母さんが？？

烏｢…お前の母さんがあの家をやめて環境を変えようとしてくれてる

あと、そこに一緒に住んでた兄さんも｣

大きく胸が跳ねた

｢…に…兄さんはどこに？｣

これからも一緒に？

すると烏養さんは首を横に振った

烏｢お前の兄さんは今、病院にいるみたいだ｣

…………………え？

驚いて少し頭が真っ白になった

…………病院？

｢……なんで……｣

"好きだよ、A"

何故か兄さんとの思い出が蘇ってきて胸が苦しくなった

浮かぶあの笑顔

あんな事をされても、話し始めると自然と感情が湧いてしまう

烏｢…精神状態がおかしいから。

正常ではないからだ｣

烏養さんの言う通りだ

だけど何故か苦しい

烏｢病院にいれたのは、彼の父親だ｣

……え？父さん？

さっきから衝撃すぎてついて行くのがやっとだった