あなたと 5 【HQ】 (ページ15)

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武｢君は確か…西谷くんが怪我をさせた時の…｣

少し難しそうな顔をして小さくそう尋ねてきた

｢…はい｣

そういえばあの時、兄さんを呼んだのは武田先生だったな

そこで初めてアイツが同じ学校って事を知った

武田先生はコホンっと改まって背筋を伸ばした

武｢…話はお母さんからなんとなく聞いたよ

家族関係の事で学校を長い間休んでたんだよね｣

｢…はい｣

きっとはっきりは言わなかったんだろう

兄さんにって。

まず母さんがそのこと自体深く知らないのかな

武｢…無理しなくていいんだけど、怪我が治ったり、心が落ち着いたらまた学校来れそう？｣

……

私は考えた

武田先生は優しく焦らせず私の答えをゆっくり待ってくれた

｢…行きたいです｣

どうしたらいいか分からないことも多いけど、友達も会えないしたくさん喋ったりもしたい

人生なんて一度きりだし…

私がそう答えると武田先生はまた大きな笑顔を浮かべた

武｢それなら十分です！｣

…え？

武｢僕のやる事は鈴谷さんがどんな状態なのかと、これからどうしたいかを聞くだけですから

烏養くんの所にいるとは驚きましたけど、学校関係者の近くにいるなら安心ですし｣

烏養さんはすごい信頼されてるんだな…

武｢無理せず、ゆっくりで大丈夫ですからね｣

武田先生がそう言って立ち上がると、店の扉が開いた

西｢…！｣

田｢武ちゃん！？｣

先生も2人も驚いていた

田｢…な、何でここに？｣

夕は何も言わずじっと先生を見ていた

その様子に気づいたのか先生は焦ったように話し始めた

武｢いや、僕はただ彼女の様子を見に来ただけだよ

烏養くんに言われたからさ。

用は済んだしもう帰るよ｣

烏｢いきなりより、誰か1人先生が知ってた方が行きやすいだろ｣

そう言うと夕は少し安心したような表情をした

よく分からないけど。

武田先生はそのままお店を出て、帰って行った

そして先生が座っていたところに夕が座って、その近くに田中先輩が座った

西｢怪我はどうだ｣

夕は毎回そう聞いてくる

答えると嬉しそうに喜ぶ

その反応を見るだけで私も嬉しくなった