あなたと 5 【HQ】

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烏養さんと滝ノ上さんが難しい顔をするのはこういうことか








ガーゼが取れたからと言って、決して怪我が治った訳では無い








傷はまだある








しかも消えるかどうか分からないような痕がいくつもある









｢…あと少しですね！｣








変な話をしたせいで、2人に気を遣わせてしまったのか








…気をつけないとな








烏｢ガーゼはどうする。痕が気になるようならまだつけておくけど｣









私は少しだけ悩んで、付けるのをやめた








滝｢お！いい選択だ！｣








滝ノ上さんは笑顔でそう言ってくれた








ガーゼがたくさんある顔より、少しでも減らして目立たないようにしたいから…









手の痛みも引いてきて、前みたいに松葉杖が完璧に使えるくらいにまで回復した









私はここにお世話になって一体何日くらい経ったんだろう









滝｢…うーん。１ヶ月は経ったよな｣









烏養さんも学校に行って暇な時間に滝ノ上さんとその話をしていた








2人で必死に考えたけど結局のところはっきりは分からなかった









1ヶ月、2ヶ月、そのくらいは余裕に経っている








……その分学校も行ってない









滝｢もう繋心が父ちゃんか兄ちゃんみたいなもんだよな｣








アハハと笑う滝ノ上さん









少しずつ恩返しして行かないとな。









…………………








するとお店の扉が開いて、烏養さんが帰ってきた









その後には、……先生？









滝ノ上さんも一瞬驚いた顔をした









……えっと、あれは武田先生？









武｢こんばんは｣









武田先生は優しく微笑んで挨拶をした









烏｢どうやら、母親がなんとなく学校に連絡をしてくれたみたいで





お前が学校行って、その後色々聞かれるってことはないと思う｣









…母さん。







…と、烏養さんも。前の電話以外にも母さんと電話してたことは知ってる








私がまた楽に学校に行けるようにしてくれてるんだよね









滝｢…で、なんで先生がいるの？｣









私が気になってるのもそこだった








烏｢なんとなく言ってみたら内容知ってるみたいだったから一応ここにいること伝えようと思って｣









担任でもなければ関わりも特にない








滝ノ上さんは先生に椅子に座るよう、椅子を引いた







先生は相変わらず優しい顔のまま私の近くに座った

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