あなたと 5 【HQ】

212 影山 ページ13

菅原さんなら何か知ってると思ったけど、俺に何か聞いてきたから知らないことがすぐ分かった









西谷さんも珍しく聞いてきたけど、俺にはわからない









鈴谷さんが頼っているのは菅原さんだと思ったのに、彼も知らない








……………………………









『………生きてるよな』








…馬鹿なことを言い出してる奴もいる









俺は前より顔を伏せるのが多くなった気がする









ひたすら考えていた








考えないようにしていても、いつもあったものが無くなるのは大きくて







気が付いたら考えている









そして女の人が俺の席に近付いてきて、言いづらそうに








『…影山くん、Aちゃんと付き合ってるんだよね？』








そう聞いてきた






………なんて答えたらいいのか









影｢…まあ｣








鈴谷さんの後ろの席の人には別れたことにしてるけど、握手はまだしてない








またこれも俺の勝手な理由だけど。









『Aちゃんどうしたの？もうずっと学校来てないけど…』









心配そうに聞かれても知らない







知ってたらこんなに考えない









影｢…すんません、知らないです｣








俺だって知りたい






俺は気分を変えるために外に出た









………………









ふと頭に過ぎる、彼女の家の事









主にお兄さん









………なんかあったの…かな








いい人そうに見えて彼女を傷付けている








その可能性もあるかもしれない









風邪にしては長すぎるし、何かの病気かもしれない






だけどいきなり過ぎる









『暗い顔してんな〜』








そんな声が聞こえて視線を移すと、手を挙げた菅原さんがいた









影｢ちわっす｣









ここで菅原さんが何か知ってたらいいのに









菅｢…鈴谷、まだ来てないのか｣








知るわけない







知ってたら知ってたでいい事だろうけど、確実に俺はまた菅原さんに嫉妬するだろう









菅｢どうしちゃったんだろうね｣








菅原さんも俺と同じ気持ちなのか、大きく悲しそうにため息をついた









菅｢…俺が酷いことしたからかな｣








珍しく菅原さんが否定的にそう言った






影｢鈴谷さんは受け入れたのでそれはないと思います｣









考えたくないし、兄みたいだと言っていた









俺はなんとなくすぐに話題を変えた

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