あなたと 5 【HQ】

211 影山 ページ12

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『…鈴谷は…今日もいないな。欠席っと…』









………………………








2週間…いやもっと。









何日目なのかもわからない









それくらい姿を見てない









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『…一体どうしたんだろうね』








鈴谷さんの後ろの席の男子が頬杖を付きながらそう言った








コイツも初めは、"影山と別れたからショックなのかなぁ"とかふざけてた








でも流石に何日も経った今、悪ふざけもなくただ単に心配していた









…握手。







結局してない









鈴谷さんと最後に話した日







いつもと変わらなかった





せっかく仲直りみたいになったのに








何か余分な事を言ってしまったのか









……………………







時々、あの時の光景が頭に浮かぶ








思い出したくないのに、鮮明に。








何かを説明しようとする鈴谷さんを止めてまで聞きたくなかった








菅原さんとのキス









鈴谷さんがしたいなんて言うわけもないし、自分からする人じゃないくらい分かってて







そうそれ以上のことは聞きたくなかった









分かってる








菅原さんのキスを受け入れた事くらい








付き合ってるフリなんかしてるから後ろめたい気持ちがあるんだろう









それは俺も同じで、何故か胸が締め付けられて頭を殴られたみたいな衝撃だった









日向にいつもイラつくように、怒りは全くなかった









それよりそんな話を聞きたくなかっただけだった









ただの俺のわがまま









でも彼女は頑張って何かを話そうとしてくれた






"喧嘩みたいにはなりたくない"









それは俺も同じだった








だから俺も本音に近い言葉を彼女に伝えた









隙だらけ







あの状況でもたくさん隙はあった








鈴谷さんが誰と何をしようが自由






俺達の関係は所詮、"フリ"なんだから。









でも俺の見えるところではやらないでくれ、とまたワガママを伝えると彼女は素直に受け入れてくれた









抱き締めたい






そのわがままでさえ受け入れる








なのに、すぐに謝ったり何かをいつも気にしてるように見える








楽でいてほしいのに









フリをやめる握手は忘れていたけど、あの日お互い笑顔で手を振った









貴方は今どこで何をしてるんですか

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