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「……友くんねぇ……」







優しい王子様みたいな人ってことは、友くんを知る人間なら誰でもわかる事だ





ただ1人を除いて。







黒「……」

「……」





私と黒尾くんは、思わず黙り込んで考え込むもひたすら謎に包まれる








黒「……でもまあ…そんなアイツも星野さんを一瞬でも拒否する事があるなんてちょっとびっくりしたな」








結局考えても結論は出ず、黒尾くんはまたさっきの話題を引き出すかのように話し始めた







……この話題早く終わって欲しいけど。







「……その前に…ちょっと彼に呼ばれちゃって……




それを含めて見てるのが嫌になっちゃったんだと思う」








……最近、友くんの表情の変化はちょっとだけすぐわかる






あの時もいつもの優しい笑顔と言うよりは無理してるような笑顔に近い気がした









黒「……アイツの事が好き?」








黒尾くんは控えめに小さくそう聞いた






私は気まずいながらも首を横に振った








お互い色々思う事があって話しずらい空気が広がった








他の人なら、"じゃあどうしてあんなにくっついているのか""キスをしていたのか"そう聞くはず。






でもそれは黒尾くんに少し通づる物があるから。




私もそれをわかっていて、前にあんなことを言ってしまった







黒「………アイツの家には行かないで…




二人きりにならないで…」








黒尾くんは静かな空気の中、目を逸らしたまま小さくそう呟いた







自分か黒尾くんが話さないと物音無い静寂のせいか、心臓の動きが少し早く感じる








………






「……二人きりになっても、今日みたいに外で運動するだけだよ」








……。




私も目を合わせることは出来ない、気まずいから。








黒「それは星野さんの様子がおかしかったからでしょ…?




トモと帰る予定ってアイツも知ってて…」








……そうかもしれない






きっと黒尾くんは心配してくれているだけ、分かってる





期待はしちゃいけない








「…みんなが思うより彼はとっても優しいよ」







この言葉ももちろん本音で。








黒「…それは星野さんの事しか見えてないから…





俺は100%大丈夫とは言えない」








………




黒尾くんの声に少し熱がこもり始めた気がする






…怒ってる…………?

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作者名:PUPU | 作成日時:2021年11月1日 20時

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