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黒｢……俺があげたものも…｣
黒尾くんが少し視線を移動させるのがわかって、私はそれより先にその場に手を伸ばしてしまった
そこには確かに黒尾くんや、色んな人からもらったものを置きっぱなしにしていた
｢…っ違くて…｣
体が先に反応したせいで、嘘をついてももうバレバレだ
黒｢…あ……"俺があげたのを食べてくれない悲しい"って訳じゃなくて…
多分、ずっとでしょ？
食べたとしてもかなり少ないというか……｣
別に隠す必要も何も無い、彼らはちゃんと心配してくれてる
…
さっきの行動がようやくどんな意味があったのか、理解する
黒｢元気が無くなってるのも、どんどん痩せてる気がするのも……
気がするんじゃないんだよ…
実際に食べてないでしょ……？｣
黒尾くんの方を見るとしっかりと目が合って。
黒尾くんの瞳はどこか寂しそうに揺れていた
………………………っ。
…あぁ苦しい…。今も尚こうやって周りに……
黒｢……夜久言ってた、時々もう食べたって言うけど多分食べてないんだろうって
弁当も、買ったものもほとんど食べきらない｣
……………ちゃんと見られてる…
その通りで返す言葉が見当たらない
｢…黒尾くんが言ったように、翔が事故をしてからお腹は空かないよ｣
私は一息ついて、黒尾くんも静かになった時ようやく口を開いた
｢ここまで見られてたり、心配してくれてるなら隠すのも悪いし…
なにより皆にはもう恥ずかしいところ沢山見られてるもんねっ｣
私は無理やり笑顔を作ろうとするも、感情が揺れていて話し出すと今にも泣いてしまいそうだ
｢…食欲は湧かない…
夜は眠れないよ｣
前に比べたら…良くなった方だ
｢…翔が起きても…眠るのが怖い｣
私は机にあった手を自分の膝に置いて、震えるのを押えた。
｢…みんなからたくさん貰っても食べられなくて、
ごめんね｣
せっかく貰ったのに。
黒尾くんは余計に辛そうな顔をしていた
黒｢食べさせたらちゃんと食べてくれるなら、俺はいつでもそうするよ
星野さんが倒れたら……ダメだよ…｣
…………
黒｢いつも…見えない所で頑張ろうとするから…
いつも俺は何も出来ない｣
黒尾くんは力無く誤魔化すように小さく微笑んだ
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作者名：PUPU | 作成日時：2021年11月1日 20時
