ちょっと変わった出会いから 8 【HQ】 (ページ22)

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｢………｣

黒｢……………｣

夜久くんが帰ってしまってから、しばらく沈黙が続いた

…よし。

｢…実行委員、大変そうだね｣

私は気まずい空気を無くしたいのもありつつ、思い切って口を開いた

｢いつも…毎時間何かしてるイメージ｣

私は黒尾くんと佐々木さんを思い浮かべながらそう言うと、黒尾くんも何か考えるように少しだけ上を向いた

黒｢…日が近づくにつれて忙しくなってる気がする｣

…やっぱり忙しいんだなぁ。

黒尾くん…佐々木さんに関しては部活もやりながらだし…

黒｢うちのクラスは特に……準備が遅いからね…｣

ふと台無しになってしまったあの光景が頭に浮かんでしまう

心做しか黒尾くんも青ざめるようにため息をついていた

｢………それなのに、いつも病院に寄ってくれるの？｣

空気を壊す気は薄々感じていたけど、口に出してしまった

すると黒尾くんは小さく頷いて返事をしてくれた

黒｢もちろん会えない日もあるんだけどね

俺が遅すぎて面会時間が…ね｣

……そんな時間まで…

黒｢それでも病院行っちゃうんだよね

窓から翔が見て待っててくれるの｣

そう言いながら黒尾くんは携帯を取り出していじり始めた

辺りが暗いからか少し眩しそう

｢……翔ってば…もう…｣

黒尾くんに迷惑を……と思ったら、隣から携帯の光が目に入ってそちらに目を移す

そこには翔が病院の窓からこちらに向かって笑顔で手を振ってる姿があった

黒｢病院の人が言うには、会うまでずっと窓のところから離れないんだって｣

黒尾くんはどこか嬉しそうに、楽しそうに笑ってそう教えてくれた

｢…どれだけ黒尾くんの事好きなの……｣

思わずため息が出てしまう程で、また黒尾くんが小さく笑っていた

黒｢……1回泊まったり…遊んだりしたから、他の奴らより懐かれてるみたいだな〜

俺は嬉しいから全然いいけどね｣

最後の言葉は恐らく私が気にし過ぎるから、気を使ってそう言ってくれたんだろうな。

｢…文化祭でも色々ワガママ言っちゃうかもしれない…

私からちゃんと言っておくね…｣

………きっと最後になる

…聞いてくれるかな。

と少し不安になった