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神｢夜久も病院行くの？｣
神崎さんはふと振り返ってそう聞いた
すると夜久くんは少し悩みながら、私の方をチラッと見た
……私に意見を求めてる…？
｢一緒に行こう、翔もきっと嬉しい…｣
そう言ってから、自分の言葉に違和感を感じる
……今から伝えに行って、嬉しいままでいるはずが無い
だって…、あの時の夜だって黒尾くんと離れたくないからあんなわがままも言った…
今日も……離れたくないって言うのかな。
だとしたらみんなと遊ぶのは別の日にした方が良かったのかな…
前を歩く神崎さん、友くん、彼の背中を見つめながらそう思ってしまった
……今更言えないもんね。
もし、わがままを言って離れなかったとしても今だけは何も悪く言えない…
残酷すぎる気がして。
黒｢大丈夫？｣
急に声が耳に入ってきてふと顔を上げると、黒尾くんが心配そうにこちらを見つめていた
黒｢…なんか…すごい考え込んでるみたいだったから｣
黒尾くんは少し気まずそうに小さく笑っていて、その隣で夜久くんもこちらを見ていた
｢…翔に会うのが久しぶりで…緊張してるのかな｣
私が笑って誤魔化すと、黒尾くんもホッとして優しく微笑んでいた
夜｢大丈夫だよ
星野さんの事はいつも研磨か黒尾が話してるし、翔も楽しそうに話聞いてるから｣
……。
やっぱりいつも…
たまにでいいのにな。
言葉に出そうと思ったけど、きっと2人はまた優しいことを言ってくれるだろうから言わずに笑顔を向けた
すると2人も顔を見合わせてにっこり笑っていた
夜｢主に、黒尾がたくさん話してるけど｣
そう言い放つと夜久くんは前の集団の方へ飛びつきに行ってしまった
黒｢同じクラスだから…！｣
……。
黒尾くんは何か言葉にできない声を上げながら焦っているし…
最後の言葉はきっと夜久くんには聞こえていたはず。
こちらを見ていたずらっ子のような笑顔を浮かべていたから
ちらっと顔を見ると顔が赤いし、不満そうな顔をしている
黒｢……何笑ってんの｣
うっすらその目は私を捉えていて、またさらに笑うと黒尾くんはまたムッとしていた
黒｢…っ｣
分かってるよ。同じクラスで近くの席だから…
チクリと胸の奥が痛む
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作者名：PUPU | 作成日時：2021年11月1日 20時
