ちょっと変わった出会いから 3 【HQ】 (ページ48)

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私が彼を知っている事は、廊下で見かけたり…

同級生だから顔を知っている程度。

お互いに話したこともないし、みんなが知っているような運動部で明るい人だって言う事くらいだ

明るいといっても控えめで笑っているようなイメージがある

｢…えっと｣

それなのに手伝ってもらってもいる彼の名前が分からないなんて、なんて失礼な…！

｢…なんて呼んだら…｣

私は動揺しながらも、名前が分からないのを隠しつつそう聞いた

すると"あっ"と、何か気付いたような表情をした後、また優しい笑顔に変わった

『ん～。みんなは俺のこと、友【トモ】って呼ぶよ！』

…友……

フルネームで答えるわけないもんね。

ここで話した事がないからと言って変にさん付けもおかしいし…

｢…じゃあ……友くん？｣

私がそう言うとまた楽しそうに笑顔で数回頷いてくれた

友｢俺はなんて呼んだらいい？｣

私がそう聞いたからそう返ってくるのは当たり前。

…私にあだ名はないし、友くんも私の名前知らない可能性がある

｢星野A…あだ名は特にないし、好きなように呼んで｣

そう言うと友くんは"ん～"っと少し考えたあと、勢いよくこちらを見た

友｢…Aちゃん！｣

…………うん

割と普通…だけど、異性に名前でちゃん付けで呼ばれることは無いから少し変な感じ

お互い、急に始まった自己紹介的な時間に照れくさく笑って、よろしくという意味も込めて小さく頭を下げた

友｢…で、何かあったの？

朝より顔が暗いよ｣

話題は逸れることなく、友くんはそう話を切り出した

それによって少し別のところにあった意識がまた真ん中へ戻ってきて、気持ちが沈んでいくのがわかった

｢……友くんはさ、卒業したらどうするの？｣

…卒業、ね。

私が質問に答えず、別の質問をし返したのに友くんは嫌な顔せずまた何か考え始めた

友｢進学するよ｣

そう答えると思っていたから特に驚きはしなかった

サッカー部。

｢へぇ…じゃあ大学でもサッカー続けるんだね｣

友くんはそう言うと、小さく笑いながら首を横に振った

？

友｢進学だけど、大学じゃなくて専門学校に行くの

俺の家、美容院だし｣

…驚愕。