ちょっと変わった出会いから 3 【HQ】 (ページ29)

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128 黒尾ページ29

………………

…うん。いや、わかってた事じゃん…？

何故かハッキリと響いた夜久の声がズシリと胸を押し付ける

黒｢…へ、へぇ。そうなの｣

分かってたはずなのに、返答を少し考えてしまっていた

元々予想して用意すべきだった

夜｢いい子だし｣

明らかに動揺する俺を気にせず、夜久は話し続けた

…うん

胸が少し苦しい

夜久は前から星野さんと仲良しだし、

何かと距離も近いし…

……積極的だし、ね。

夜｢好きだよ、本当に｣

そう言う夜久の顔は優しそうな顔をしていて

あー…本当なんだ、と改めて理解して俺の胸を締め付けた

夜｢友達としてな｣

……………………

…………………

…………………は？

…ん、いや聞き間違い？

夜久の方を見ると、眉間にシワを寄せて腕を組んで何か考えていた

夜｢妹？としてかな？｣

……………いや

黒｢……ちょっとごめんなさい｣

頭が追いつかないんですが。

…ん？あれ？？

"好きだよ"

…星野さんの事だよね？

"本当に"

……………

そのあとなんて？

俺の幻聴……………………

パニックになりながら夜久の顔を見ると、夜久は悪戯な笑みを浮かべてこちらを見ていた

夜｢俺俳優になろうかなぁ｣

夜久は呑気に体を伸ばしながらそう言った

……………………

…………………………やられた

黒｢バーカ！！！｣

俺は急に湧き上がってきた感情をそのまま夜久にぶつけた

夜｢顔赤くしてどうしたんです？

さっきまで死んだ魚みたいな顔してましたよね？｣

夜久は口に手を当ててニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んできた

………チビ。

夜｢ぷぷっ。分かりやす～｣

夜久は煽るだけ煽ってかなり楽しそうだ。

俺も負けじと言い返すも、顔が赤いらしくただの足掻きになっている。

…クソぅ。

.

言い合いも落ち着いた頃、夜久はふと思い出したように口を開いた

夜｢…てかさっきの見て思ったんだけど、もしかして昨日の夜、

星野さんにキスでもした？｣

急にぶっ込まれて思わずむせた

すると夜久は足を止めて、眉間にシワを寄せて俺を睨んできた