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少し歩くと隣の家のおばさんは洗濯物を干していた







『あら!ちょっと!何してるの!』








私達の姿に気付くと、何か慌ただしく駆け寄ってきたおばさん







『翔ちゃんのお見送り?』







私がハテナを浮かべつつ挨拶をすると慌てながらも優しく答えてくれた








『翔ちゃんっ今日はおばちゃんと一緒に行こう』








そう言って翔の手を握るおばさんに、翔は首を傾げていた







…やっぱり忘れてるみたい








『…お姉ちゃん風邪引いてるから、お家で休んでもらって早く良くなってもらわなきゃ』








おばさんは翔の機嫌を損ねないように、優しく表情豊かにそう伝えていた






すると翔は思い出したようにハッとして私の方を見た









翔「…忘れてた!ごめんね、お姉ちゃん!」








翔はぱっと私の手を離して、おばさんの手を握った








「…ごめんね。おばさんもありがとう」








私がそう言うとおばさんは笑顔で頷いてくれて、そのあと二人の背中を見送った









私はそのまま来た道を引き返して家へ戻った









家に戻ると、まず目に入ったのが朝ごはんの食器で立っているついでに片付けることに。









…あ、そういえば貰ったお菓子翔に伝えたっけ








あの後勉強してて……







黒尾くんと夜久くんに面倒見てもらってたんだった…






お礼しなきゃいけないことがいっぱいだ









お皿を片付け終わって、また布団へ戻る








かと言っても起きてから少し時間が経っているから、眠気は無い








けど横になってるだけ体にはいいはず…








"しっかり休んで"



"無理しないで"



"寂しいよ"








昨日のみんなの言葉を思い出すと心が締め付けられる







ここまで一緒に帰ってきてくれた研磨くん。



部活終わりだというのにわざわざお見舞いに来てくれた黒尾くんと夜久くん。








いつも優しくしてくれるし、優しい言葉をかけてくれる…








寝転がっているとふと研磨くんに借りたいつかのタオルが目に入った








…あぁ、昨日返せたのにな






忘れちゃった。








……研磨くんはずっと一緒に居たけど大丈夫かな







近くにあった携帯を手に取り、トーク画面をじっと見つめた








……やめておこう







私は携帯を閉じてまた毛布にくるまった








昨日起きた事全てが少し新鮮で恥ずかしくて、思い出すだけで体の熱が上がっている気がした

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カカオ - はじめまして!カカオです。 この作品とっても面白くてお気に入りです。 まだ途中までしか読んでませんが更新頑張ってください! (2021年6月1日 17時) (レス) id: d890b7ba1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年2月14日 15時

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