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翔は笑顔で手を振っていた








二人きりになってしまった…







でも少し気になることがあって、気まずい気持ちよりも大きかった









「…翔、どうして"鉄兄ちゃん"って呼んでるの?」







確か初めはクロ兄ちゃんだった気がするし…







いつの間に。








それに黒尾くんの友達の間でも下の名前で呼んでるの人はあまり見ないし…








すると黒尾くんは、なにか思い出しながら口を開いた








黒「遊んでる時に、名前なんて言うのって聞いてきたから



黒尾鉄朗ですって答えたらそう呼ぶようになった」







黒尾くんは小さく笑いながらそう言った







なるほど…







黒「星野さんが俺達のことをお兄ちゃんって呼ぶから、呼び捨てはしないんだろうな




教育がなってますね」








チラッとこちらに視線を向けた黒尾くんに、私は小さく頭を下げた







……それは良かった





呼び捨てで呼ぶような失礼な子にならないで済んだ…









そしてしばらく話して話題が無くなると沈黙が結構続いて、ひたすら気まずく感じる








…私だけかな








………こう意識してるのは…







バレないようにチラッと黒尾くんを見ると、黒尾くんはどこか落ち着かないようにも見える








…そろそろ、離れて歩いた方がいいかな








黒尾くんの名誉が……








………でも言い出せない…







……言いたくない…………………え…







いや、違う…違う、違う。





私が首をブンブン振っていると黒尾くんは不思議そうにこちらを見ていた






目が合うとフフッと小さく笑われる







………笑われた…変な人だと思われて…









そしてまた気まずそうな顔をしながら、じっと私の顔を見つめ始めた








黒「……あの、熱………」







"熱、ある…?"








お互い夜の出来事が頭に浮かんだのか、顔が赤くなる







黒尾くんは口を押さえて顔を隠すように逆方向に向けた







私も同じく逆方向へ顔を向ける









…………………………








……………………無理…







「…っ…日直急いだ方が…」








咄嗟に出てきた言葉がそれだった。







黒「あ…うん、そうだね。そうだった。




先行く……」








学校のすぐ近くということもあり、黒尾くんもあたふたしながら学校へ先に向かった







ダメだ。忘れなきゃ…







教室の前に着くと、夜久くんが眉間にシワを寄せて壁に寄りかかっていた

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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時

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