ちょっと変わった出会いから 2 【HQ】

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…………







研磨くんは伏せた小さく呟いていた









孤｢……また泣かせるかもしれないけど…｣








すると研磨くんはゆっくりと顔を上げると、ちらっとこっちを見るもまた俯くように自分の手元に視線をずらした









孤｢…俺には親がいる





父親も、母親も。だからいない人の気持ちなんて分からないし分かるわけもない｣









何となく話題からして、泣きそうな気がして泣かないよう自分の中で構える








孤｢……表では明るくしてても本当に思ってる事とは違う事くらい隠しててもわかる





本当にそう思ってることもあるだろうけど…俺の知ってる人の中では何かしら表では明るく何も無いように見せてる気がする｣









親がいない人の前で、親の話題なんてそう簡単に出す人なんていない






少し気まずい空気も流れて、相手に気を遣わせる






だから私はその空気が苦手だった









孤｢…だから……星野さんの事も、クロの事も分かってあげることは永遠に出来ない




…本人が本当のことを言わない限りね｣









……………………………







……………






………………クロ……？








心が段々と辛い方向に向かう中、何かが引っかかった







孤｢…なのに、俺は昼に無神経な事を言った






…ごめん｣








でも研磨くんは構わず、話し始めて気まずそうに小さく謝った








｢…いや、研磨くんは何も…｣








無神経な事……？







…………







"溜め込まず徐々に放出していけば、あんな一気に表に出る事はないじゃん"







"大好きな人達は、戻ってこないから"








……あぁ。






別に気にしてないのに









研磨くんの心にはずっと引っかかってたのかな、なんて考えると少し胸が痛む








孤｢…環境が違うから、理解することも難しいと思う｣







……





研磨くんのひとつひとつの言葉が心に染みる







分かっていたことだけど改めて言われると、ね。








孤｢…この手の話題は空気が悪くなるし言い難い






だから…………｣









研磨くんの言葉全てに納得出来る








すると研磨くんは、言葉を詰まらせるように口を閉じた







……？






研磨くんの方を見ると、何か言いたそうにも見える





明らかに会話は終わってないし…









孤｢………俺の所に話に来て｣









…っ





研磨くんは意を決したように、ゆっくりと口を開いてそう言った

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