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一瞬流れた沈黙にまた緊張が走る















…なんて答えたらいいか分かんないよ








「……書くね」







本当にあと少しだけしか書く所がない日誌に手を伸ばす







黒尾くんも頬杖を付きながら、じっと日誌を見ていた








そんな中、黒尾くんは小さく口を開いた








黒「…朝、正直どう思った?」








…朝。




きっと日直の話。








「……何とも思わないよ」







黒尾くんは怒らせたと少し焦っているようだったけど…






やれと言われたらやるし、やらなくていいと言われればやらないし…









「…でも、日直は面倒臭いからみんなやりたがらないし。




やってもいいかなって」








私は特に話せる友達もいないから、みんなのように過ごす時間もないといえば無い






だからと言って教科書をずっと見てるのも正直つまらない








黒「……あ…いや」







すると黒尾くんは目を逸らしながらどこか気まずそうにそう吐いた









…ん?






私は黒尾くんが何か言うのかと待っていた







黒「…何でもない」







黒尾くんは小さく微笑んでそう答えた







私の中でハテナが残りつつも私は深く聞くのをやめた








……






そして、最後の文字を書き終わる







……






「…一緒に、ありがとう」








待っててくれて、手伝ってくれて。







私は開いていた日誌を静かに閉じた









しんみりしている空気だからこんな変な感情なのかな









「…部活、急がなきゃね



みんな待ってるし……」








私も黒尾くんも荷物を持って立ち上がった








黒尾くんが頷きながら何かを言おうとした時、丁度教室の扉が開いた








『おー、まだ居たか。確認と忘れ物取りに』







そう言って入って来たのは先生だった







先生は教卓の近くに行き、目的の物を見つけるとまたすぐに教室を出て行った







……あ、日誌。





ついでに渡せばいいものを、何故かボーッと見届けていた。








私は急いで教室を出て行った先生を追いかけた








「…先生!日誌!書けました!」







先生はこちらを振り向いて笑っていた







……あぁ、駄目だなぁ






…そんな顔しないで








『アイツもいるってことはちゃんとやったんだな』








ペラペラと日誌に目を通しながらそう呟く先生に私は頷いた

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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時

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