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「…すっごく助かる」








黒尾くんの目から伝わってくる優しさに私は素直にそう答えていた







本来、黒尾くんには今からでも帰ってもらう事が正解だろう





というより、そうしなければいけない








けど、そうなると翔がまた大変になる事は目に見えている





もう少し早く帰ってもらうべきだったな、と反省。








黒尾くんもそれを分かっているようで、気まずそうに声を掛けてくれた








私的にもすごく助かるし、なにより______








「…翔が、すごく喜ぶ」







本人はもう泊まるつもりでいるけど。







翔が嬉しいなら…私の苦労なんてどうってことない






我慢させることも怒ることも大切だけど、親がいない翔にとってはきっと大きな出来事のはずだから。









……ただ黒尾くんに迷惑を…







黒「…一晩、お世話になります」








二人の間にはただひたすら気まずい空気しか流れない






「お願いします…何か困った事とか必要な物とか言ってね。




あ、服とかタオルは後で準備しておく…」








………





お互い気まずすぎて目を見て話すことが出来ない








同じクラスで、さっきまで学校で一緒に勉強もしてた




席は前後。




今日まで二人で日直。







今日までで話すのは終わりだと思ってたのに









まさかの家にお泊まりなんて………誰も予想も出来ないよ…







お互い同じタイミングで大きなため息をつくと、顔を見合わせて思わず笑ってしまった








そして遠くからは大きな怒鳴り声やら泣き声が。







…近所迷惑になっちゃうよ……








黒尾くんは返事をしながらまたお風呂へ向かっていった









………服…





黒尾くん大きいから入るかな。







私はしばらく開けていなかったタンスの引き出しに手を掛けた







少し緊張する








"お父さん、服、借りるね"








心の中で声を掛けながら、黒尾くんが着れそうなものを探す








……お父さんがちょっとだけ大きい人でよかった







まあ私はお母さんの低さを受け継いだけど。







お父さんの服は少し大きめで、若い子が着れそうなものも多かったからよかった








服とタオルを手に取って、洗面所へ









扉を開けると翔の楽しそうな声と、黒尾くんの笑い声が大きく響いていた







自然と笑みが溢れる中、私は静かに洗面所をあとにした

89→←87 黒尾



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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時

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