ちょっと変わった出会いから 2 【HQ】

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やっぱりこの手の話題は苦手だ








私は慣れたつもりでいるけど、このただならない空気が相手を不快にさせてしまう









｢お金もないし、親も居ないけど



翔がいるし。なんなら隣の家のおばさんも優しいし！｣








私は小さく笑いながら研磨くんにそう言うと、研磨くんは苦笑いをしていた








孤｢情緒不安定過ぎ｣







…確かにね






私はその通りすぎて笑ってしまうと、研磨くんも小さく笑っていた








｢そろそろ戻ろっか｣







私が立ち上がると研磨くんもゆっくりと立ち上がった








｢お礼だけのつもりだったけど、たくさんお話してくれてありがとう






研磨くんと話したら、なんか楽になった気がするよ｣








心の中で突っかかっていた何かが取れたような。






前からなるべく避けてきた話題をまたこう話せている事





昨日は泣いてしまったけど、徐々に思い出す事が出来ること









これが、研磨くんの言う"放出"なんだろうか








｢生意気な事言ったかもしれないけど、研磨くんの言葉の意味がわかった気がする｣









戻ってこない





だけど、話すだけで悲しくなるなんて事も慣れれば薄れていくはず









私がお礼を言うと、研磨くんは目を逸らして小さく返事をしてくれた








研磨くんの貴重な休み時間をほぼ使ってしまった…








そう思いながら、教室へ向かおうと足を進める




…が、後ろにいるはずの研磨くんの気配がしない





足音も聞こえない








不思議に思って振り返ると、研磨くんはまだ立ち止まったままだった









……？？




そして研磨くんはゆっくりと近付いてきて何か言いたそうに、目をキョロキョロさせている








孤｢……俺で良ければいつでも話していいよ｣








…っ







研磨くんが頑張って言おうとしてた言葉に思わず胸が跳ねる







研｢…いや、別にクロとか…夜久……ん…に話し……っ｣








そして何かボソボソと言っている。








｢ありがとう｣








オドオドしている研磨くんに向けてそう言うと、研磨くんは驚きがちに目を見開いていた








孤｢……どうしてすぐ泣くの｣








…………え。






いや…泣いていない






｢堪えたつもり｣







涙目な私を、研磨くんは優しく笑っていた

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