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「ん、もう手離していいよ」
『ありがとう』
ゆっくりベットに下ろしてくれて、なんか申し訳なくなる。
私がこんなに飲み過ぎなかったらよかったのになんて考えて。
「水いる?」
『あ、うん…』
グクはリビングへ向かっていった
その背中を見ながら考えたことがある…
今度みたらし団子たくさん買っておこう
「はい、持ってきた」
『…』
「ヌナ」
『…』
「ぬーな」
眠りについたわけじゃないけど、まぶたが上がらなくて返事ができない
睡魔って怖い…
『ん…、ぅ』
「…そんなに酔ってるの?」
首を縦に動かす
でも自分で酔ってるって分かるってことは酔ってないのかな?←
もうわかんないや
「んー…水も飲めそうにないね」
起き上がらないと飲めないのに、体がベットに沈んじゃって起き上がれない
「飲ませてあげるからちょっと口開けて」
寝たまま流し込むのかな?なんて思いながらも薄く口を開く
すると、柔らかいものが唇に触れて水が口の中に入ってきた
『…!?』
驚いて目を開けると、私と唇を重ねているグクが目の前にいた
冷たい水が喉を通る
『…っ、ぅ……!』
なかなか唇は離れず、深くなっていく
「……、」
『…っ、ふ…ぅ…、ん…っ!』
噛んで啄んで絡めて…。
ぼーっとしてた頭がますます働かなくなった
押し返そうとしても酔いのせいで力が入らない
体がベットに沈んでいくような気分になる
『、は…っ…、…』
苦しくて苦しくて視界がぼやけた
やっと私が苦しがってるのが分かったのか、離れてくれたグク
自由になった口で思いっきり息を吸い込んだ
「その顔、誘ってるの?」
必死で息を整えてる私とは違って余裕そうな顔
潤んだ黒い瞳で私を見据えてくる彼は、とても年下とは思えない
「酔ってるヌナ襲うのもいいかも」
その言葉に体中が熱くなった
.
.
-fin-
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作者名:とまと | 作成日時:2016年8月25日 21時