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紳一side
「牧さんて、Aにうちの女バスの情報教えるんですか？」
神がそんなことを聞いてきた。
「いや、Aも聞いてこないし教えないな
あいつも陵南のこと教えてこないしな
そこは暗黙の了解だろ。」
「じゃあうちの女子にも陵南の話はしないってことですよね」
「あぁ。Aに嫌われるだろそんなことしたら」
「それは致命的ですもんね牧さん」
「…」
「「？！」」
國井が、Aを抜いた。
「あの人Aちゃん抜いたぜ？！」
「驚いたな…」
確かに驚いた。
Aを抜けるやつはそうはいない。
そのまま先取点は海南。
「牧だけじゃなく神も清田も陵南の応援だもんなぁ、酷いもんだぜうちの男バスは」
と、武藤。
「武藤さん、好きな女の子応援しない男いますか？」
「！神もそういうこと言うんだな」
「お、俺だって…(応援くらいいいよな)」
「清田、お前は振られたんだろ」
「なっ？！牧さん何故それを…！」
陵南は先程先制を許したが、カウンターをしなかった。
Aがゆっくりボール運びをする。
「なんか、Aちゃん控えめじゃないっすか？まぁまだ始まったばかりですけど」
「まぁ、Aはもともと俺と同じでスロースターターだからな。陵南全体的には最初から飛ばしたいやつばかりみたいだから今までは合わせてたんだろ」
「でも、今日は皆に合わせず自分のペース…
Aはやりやすいだろうけど、他の選手が合わせられるかが問題ですね」
「そこの調節は上手くやるさあいつは」
「じっくり1本いきましょう！」
が、海南は攻めに出ていた。
「いきなりダブルチームかよ！」
國井と浅井のダブルチーム。
スリーとペネトレイトは防ごうってわけか。
Aはダブルチームに動揺することなく、平然な顔で周りを見ている。
「中に3人いるけど、これじゃ6番(水口)フリーじゃねぇか？Aちゃんそこにパス出せばいいのに」
「…囮だな」
「香川さんが狙ってますね」
「あぁ。」
「6番へのパスをカットしようってことッスか？」
「まぁそうするに越したことはないが、単純にAより香川vs6番(水口)の方が海南に分があるだろ」
「インサイドは佐倉と荒木がいるから、ジャンプボールで見た通り圧倒的に海南有利だ。
だからアウトサイドのAさえ抑えればかなり有利になるな」
俺と神の話に相槌する清田。
「結構厳しいな、陵南」
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作者名：なおお | 作成日時：2021年3月20日 13時
