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そして、お兄ちゃんと話しながら海南一行と席を探して歩いていると、
まさかの向こうから陵南男子が…！
この狭い通路で喧嘩しないでね…
お兄ちゃんと魚住さんの間にはバチバチに火花が散っていた。
何も言葉は交わさず、すれ違うので私もお兄ちゃんにくっついていく。
が、
仙道さんに腕を掴まれた。
「女子、あっちで見てたぜ」
「…」
無言で仙道さんを見てるお兄ちゃん。
「ﾌｯ…」
お兄ちゃんは鼻で笑い、反対側に歩き始めた。
「ちょっと待てAちゃんを返してもらおうか」
「信長」
「神さん…」
向かってこようとする清田くんを辞めるように促した神さん。
「何海南にくっついて歩いてんだ。」
仙道さんにデコピンされた。
「お兄ちゃんと話してただけです」
「へー？てっきり俺たちより海南を応援するのかと思ったぜ」
「それはわかんないですけどね。」
今度は頬っぺをつねってくる仙道さん。
「ちょっ、いひゃいいひゃい！(痛い痛い)」
しかも歩きながらだから、頬を引っ張られて歩いている。
「仙道。こいつか？」
仙道さんの後ろに、見たことない人がいた。
「ん？あぁそうそう」
「牧A…」
「あ、Aちゃん会ったこと無かったっけ」
「はひ、(はい)」
「2年の福田、ポジションはフォワード」
仙道さんが紹介してくれた。
「よろしくお願いしまひゅ」
「…よろしく」
そろそろ限界で、仙道さんの手をたたくと、ようやく頬を離してくれた。
「ごめんごめん、赤くなっちまったな」
今度は優しく頬を撫でてくる。
アメとムチか…
「仙道。」
越野さんが仙道さんを蹴った。
「外でそういうことをするな」
池上さんも横目で見ていた。
ぱっと私の頬から手を離す仙道さん。
「あ、Aどこ行ってたの」
「トイレ」
「まさか藤真先輩に会いに行ってたとか〜？」
芽衣がニヤニヤして言う。
「え…」
「え？何で藤真くん？」
「え？どうして？」
2,3年生も不思議そうに芽衣を見る。
「何で？」
仙道さんにも尋ねられた。
「え、皆さん知らないんですか？」
「ちょ、芽衣、まさか…知ってるの？」
「藤真先輩うちの中学でモテ王子だったからね
噂は一瞬で広がるよ」
「「つまり…？」」
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作者名：なおお | 作成日時：2021年3月6日 10時
