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Aの言葉から何かを感じ取ったのか、宇髄はポンポンと頭を撫でると笑った。
「あー…アレだ、在学中は色々大変だろうが卒業しちまえばこっちのもんだ。辛いだろうが三年間頑張れよ」
「…卒業…すれば、本当に解決するのでしょうか…」
思わずこぼした本音に宇髄が首を傾げた。
「年齢差とか家柄とか…そういうのは時間が経ってもどうしようもないじゃないですか…」
「お前…」
宇髄が何かを言いかけた時…
「…宇髄、竈門少女?そこで何をしている?」
バッと振り向くとそこには…
「(ひぇ…煉獄先生から何か変なオーラが出てるっ…)」
「あー…やっべ…面倒なのが来ちまった」
宇髄の判断は早かった。
「おい煉獄!こいつ、昼休みの告白はちゃんと断ったって言ってたから安心しな!それじゃなっ!」
「え、ちょっ…あっ!」
忍びのごとく消え去る宇髄。
…いや、前世は忍だったが。
取り残された煉獄とA。
…間違いない。
Aは宇髄の身の安全のための生贄にされたのだ。
これは間違いない。
「れ、歴史のテストちゃんとできましたっ…煉獄先生のお陰です!ではさようなら!」
「待ちなさい」
あっという間に距離を詰めてきた煉獄に腕を捕まれ呆気なく逃亡は阻止された。
…宇髄と同じように逃げようとしたのに何故自分だけ失敗したのか!(経験不足と運だな!by宇髄)
「なぜ逃げる?…用事がないなら少し話をしようか」
「は、はい……」
「君は宇髄と何を話していた?」
「あ、ええ、と…その、昼休みのことで…その、校舎裏に呼び出されていたの、職員室から見えたって言われて…」
「あぁ…俺も見た」
「れ、煉獄先生も見てたんですか…!?」
もはやプライバシーも何もあったもんじゃない。
しかも告白を前世の夫に見られるとは…何とも気まずい。
「それで、告白されて…どうなったかって言われたので断ったって…本当に話はそれだけです」
「そうか…断ったのは見ててわかったが……。君は些か無防備過ぎる。そういう所は前世と変わっていないようだな」
「む、無防備…?」
意味がわからず煉獄を見上げれば赤い瞳が至近距離でAを射抜いていた。
「ひ、」
「君は本当に……いいか、竈門少女。もっと男というものに警戒心を持ちなさい。あんな人気のない場所で何かあったらどうする。今の君は鍛錬もしていない、呼吸も使えない一人の少女だ。男に力付くで押さえ込まれたら抗などできんぞ」
煉獄が一気に捲し立てた。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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