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彼氏彼女という関係になるとは…
Aは前世を思い出す。
煉獄としたように、
手を繋いで歩いたり、逢引…デートをしたり。
関係が進めば触れ合ったりキスしたりもするのだろう。
そこまで考えて、無意識に脳がそれを拒否した。
「(…この人とは…そんなこと、できない…したくない…)」
佐久間は良い人だ。
けど、そういう関係になれるかといったらどうしても無理だ。
Aが触れ合いたい、すべてを委ねたいと思うのは………
そこまで考えてAは申し訳無さそうに頭を下げた。
「…ごめんなさい。その、私…佐久間君とは付き合えない」
「…好きな人がいたりするの?」
「…ん…そんな、感じ…叶うことは無いかもしれないけど、恋人になるならきっとその人じゃないと無理だと思う。…本当にごめんなさい」
恐る恐る顔を上げると佐久間は困ったように笑っていた。
「そんなに謝らないで。困らせるつもりはなかったんだ。好きな人がいるなら仕方ないね。…これからもクラスメイトとして仲良くしてくれる?」
「あ。うん。それは勿論…」
「貴重な昼休みの時間をくれてありがとう。…じゃあ、僕は先に行くから」
佐久間は笑いながらそう言うとその場を去っていった。
遠ざかる背中を見送りながらAは静かに溜息をつく。
「(佐久間君と付き合ったときのことを考えると…どうしても煉獄先生が出てくる…こんなの駄目なのに…)」
煉獄がこれを聞いたら嬉しそうに笑うだろう。
最もAは無自覚であるが。
それはまるで呪いのようで。
魂にまで刻まれたような煉獄という存在に、この時代でもAは絡め取られていくのだろう…。
「…戻ろう…」
Aは一人呟くと教室へと足を進めた。
テストの返却は三日後だ。
それまではどこか皆そわそわしている。
そんな空気の中一日が終わり帰る支度していれば炭治郎に声をかけられた。
「A、今日は先に帰っててくれるか?」
「うん、いいよ。どうしたの?」
「伊之助と体育倉庫の整理を手伝う予定なんだ」
「あぁ…体育係だから」
「そうなんだ。…あと、善逸は禰豆子と帰るらしくて中等部の方に行ったから…」
「…相変わらずだね。わかった、先に帰るね。お手伝い頑張ってね」
Aは頷き、他の生徒とともに教室を後にした。
テストも終わり、折角だから久しぶりに店に寄って文房具でも買って帰ろうか。
そんな事を思いながらも廊下を進めば見知った顔を見つけた。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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