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嫌な予感がしてチラリと煉獄の方を見ると、掴んでいる窓枠が音を立てて歪んでいるような…
「…おい、煉獄」
「むっ…すまん」
そう言いつつも目線はAたちから離さない。
「あー、ほら…年頃の高校生だからな、恋だの何だの青春もするだろうよ…」
「それは…わかってはいるが…よりによってAとは…」
「…お前、油断すると"竈門少女"から"A"呼びになるのな…」
呆れたように呟いて視線を戻すと、Aが眉を下げてすまなそうに頭を下げているのが見える。
どうやら告白?らしきものを断ったようだ。
男子生徒は肩を落とし去っていく。
Aもため息を付くとその場を去っていった。
「良かったじゃねぇか、断わったみたいで」
「うむ…」
「お前どんだけ情緒不安定なんだよ」
宇髄はケラケラと笑うが、煉獄としては先程の禰豆子の報告といいたまったもんじゃない。
「(余裕ぶって"三年間の宿題だ"などと言ってしまったが…俺のほうが長く感じてしまうな)」
煉獄は自席に戻るとため息を付いた。
遡ること少し前。
Aは早めに昼食を食べると手紙に書いてある通りの待ち合わせ場所に向かう。
校舎裏の人気のない場所。あまり足を踏み入れたことのないそこに恐る恐る近づけば既に人がいて。
「あ…竈門さん。来てくれたんだね」
「…佐久間君…?あの、手紙の…」
「うん、俺が書いたんだ」
誠実そうな男子生徒。
それはクラスメイトの佐久間だったからAも少し安心した。
「あの、それで…どういった要件で…?」
「あぁ。…竈門さん、俺…竈門さんが好きなんだ。良ければ付き合ってくれないかな」
「……!」
まさか告白されるとは思っていなかった(A、こういうことには鈍感なんだよな…by炭治郎)Aは目を見開く。
Aは同じクラスで、数学のノートの回収等の時に話したことは何度がある。
人当たりもよく穏やかな…まぁ普通の青年だ。
見た目も至って普通で校則違反もしていないような…何と言うか…人畜無害な人間だと言える。
何度かノートを運ぶのを手伝おうかと申し出てくれたこともあり、悪い印象はない。
ふと胡蝶の言葉が蘇った。
『もしも煉獄先生とのことで悩むというのなら…いっそ今世では彼氏でも作ってみたらどうですか?』
年の差やコンプライアンス等にうじうじと悩むのなら…
自分を好きだと言ってくれる、同じ年の男子と付き合っうのも良いかもしれない。
Aは相手を見た。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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