. ページ46
昼休み。
煉󠄁獄の元に珍しいお客がやってきた。
「煉獄先生!」
「む、竈門妹か!珍しいな、高等部に来るなど」
「煉獄先生に伝えたいことがあるんてす!」
煉獄を職員室の入り口まで呼び出すと、キョロキョロと辺りを見回して誰もいないことを確認する。
そして小声で言った。
「…昨日、お姉ちゃんが呟いていたんです…『彼氏かぁ、考えてみようかな』って」
「……なん、だと…!?」
禰豆子の言葉を聞いた途端、煉獄が低く唸るような声で呟いた。
「一応、それだけ伝えておきます…それでは!」
あまり長居は良くないと思ったのだろう、禰豆子は短く告げるとパタパタと走って行ってしまった。
離れた所に待っていた真菰が禰豆子と煉獄を相互に見る。
「何の話してたの?」
「ん、ちょっとね…お姉ちゃんの恋の応援」
「良くわかんないけど…そういうのは本人たちのペースで進んていくものだから、口出さない方がいいんじゃない?」
「でも…心配なんだもん」
前世では自分のために慣れない刀を握り辛い道を歩んでくれた姉。
過酷な道の先で自分を人間に戻してくれた。
そんな姉が煉獄に愛されてとても幸せそうで嬉しかった。だからまた幸せになってほしいのだが…
「禰豆子がそこまで言うお姉さん、私も会ってみたいな」
「ふふ、自慢のお姉ちゃんだよ。今度聞いてみてるね、きっと真菰も好きになってくれると思う」
そう言われて。
真菰はまだ会ったこともない禰豆子の姉がどんな人物が思い浮かべようとして…不思議と仲良くなれるだろうと確信が持てた。
「おーい、煉獄。すげぇ顔してどした?」
職員室の窓から外を見つめて珈琲を飲んでいた宇髄が煉獄に声を掛ける。
「む、何でもない!」
「ってツラかよ。何かヤバいオーラも出てね?」
「うむ!周りに悟られるようでは不甲斐なし!…少々よろしくない報告があってな…」
「あー、今竈門禰豆子が来てたもんな。珍しいよな、わざわざ中等部からお前に用事だなんて。もしかして竈門A絡みか?」
「まぁ、そうだな」
「ふーん……おっと、噂をすれば何とやら」
宇髄がそう呟いて窓の外を見れば、煉獄もつられて外を見る。
職員室から少し離れた場所、校舎裏の片隅に愛しい妻(予定)と……
「男子生徒といるな。よく考えたらあそこ、生徒の間では有名な告白スポットじゃねーか。人は来ねーし茂みで姿は見えにくいしで」
途端、煉獄の方からミシミシッ!と不穏な音がした。
185人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ