手紙 ページ45
「もしも煉獄先生とのことで悩むというのなら…いっそ今世では彼氏でも作ってみたらどうですか?」
「…!彼氏…?」
胡蝶は、にこーっと笑って頷いた。
「はい。Aさんは前世でも煉獄さん一筋でしたし…今の時代は自由恋愛です、ましてや花の高校生…彼氏を作ってみたって良いと思いますが」
明るく笑う胡蝶に対して顔を引き攣らせているのがカナヲだ。
「…姉さん、それは…その、煉獄先生が不味いことになると思うけど…」
「あら!恋愛は自由ですよ!」
「……考えておきます」
カナヲたちの別れて帰宅してからもAの頭には胡蝶の言葉がぐるぐる渦巻いていた。
「…彼氏…彼氏、かぁ…」
こんな自分と付き合ってくれる物好きがいるかは別として。
煉獄との関係をただの"教師と生徒"にするためには新しい恋も良いのかもしれない。
ただ…どうしても恋人の基準が煉獄になってしまうのだ。
「うーん…でも、彼氏か…考えてみようかな…」
店番をしながらそんな事をポロリと口にしたA。
パンを持って通りかかった禰豆子がたまたまそれを聞いて…
顔面蒼白になったのには気付かなかった。
翌日。
テストが終わってスッキリ〜と何となく足取りも軽く登校すると、いつもの通り冨岡が竹刀を持って校門に立っている。
炭治郎と善逸が追いかけられて(善逸の頭髪は煉獄が言ってくれたと思うのだが…)、それを見ながらササッと教室に急いで…
いつもの日常に戻った感じだ。
そういえば胡蝶が薬学研究部に入らないかと誘ってもくれた。…新しいことを始めるのも良いのかもしれない。
そう思いながらもAは席につく。
引き出しに教科書を入れようとするとクシャリ、と何やら紙に触れた感触がする。
不思議に思ってまさぐると一通の手紙が出てきた。
「(…果たし状…いやいや)」
『竈門A様』と書かれたそれは、昼休みに指定した場所に来てほしいとのことの内容が書かれていた。
…これがよくある呼び出しというものだろうか。
取り敢えず行かないとと失礼だよねー…とAは手紙を鞄にしまった。
禰豆子は珍しく中等部の校舎と高等部の校舎を繋ぐ渡り廊下を歩いていた。
隣には親友の真菰がいる。
普段なら余程の用事がない限り高等部には行かないだろう。
「ねぇ、禰豆子。どうして高等部に行くの?」
「煉獄先生に会いに行くの!どうしても伝えたいことがあって」
「珍しいね、高等部の先生にだなんて」
真菰は首を傾げた。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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