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「れ、煉獄先生…」
「当たり前のように見ていたのが見られなくなるのは…存外淋しいものだな」
煉獄は眉を下げてそう呟くとにこりと笑った。
「うむ!では、昇降口まで送ろう!このまま図書館は施錠するからな、忘れ物のないように!」
「あ、はい」
わからない。
この人はどこまで本気なのだろう。
「社会のテストは明日か!頑張りなさい!」
「はい、頑張ります。煉獄先生が教えてくださったので…いい点数を取りたいです」
「うむ!君ならできる!そうそう、手伝いの件だが…追試の人数にもよるが…追試が終わり結果が出た後からまたお願いしようかと思う!」
「わかりました、その時にまた行かせてもらいます」
「頼む!では気をつけて帰りなさい」
煉獄の応援を背に受けてAは校舎を後にした。
その激励もあってか、翌日のテストは中々手応えがあった。
煉獄が問題になりやすい所に等を重点的に教えてくれたおかげが、勉強したところが出ているのに嬉しくなった。
モチベーションが上がったからか、その後も国語や英語を無事に乗り切ることができてホッとする。
「(後でお礼を言わなきゃ…でもちゃんと会えるのは追試の後かなあ)」
全てのテストが終わると善逸が溶けたように机に突っ伏している。炭治郎も疲れたのかため息を付いていた。
Aも気が抜けて何となくボーッとしてしまう。
今日は勉強を忘れて買い物でもしようか…と思っているとスマホにラインが入った。
「あ…カナヲ…」
どうやらテストが終わったのてお茶をして帰らないか、ということだった。
二つ返事で返すとAはHRが終わるのを待った。
「A!お疲れ様」
「カナヲ!」
昇降口で待ち合わせるとカナヲは髪飾りを揺らしながらやってきた。
「テスト…どうだった?」
「…緊張したけど何とか…カナヲは頭がいいから大丈夫だったでしょ?」
「そんな事無いよ…あ、そうだ。後から一人合流してもいい?」
「いいけど…誰?」
「しのぶ姉さん」
そういえば胡蝶はここの三年生だった。
記憶があるという話だったがまた一度も顔を合わせていない。
「うん、勿論。しのぶ様と話したいから大丈夫だよ」
「良かった」
二人は笑いながら近くの喫茶店に向かった。
その背中を、社会科準備室から煉獄がたまたま見つけていた。
昨日は可愛らしい寝顔を見て無意識に髪を撫でてしまったのはここだけの秘密だ。
「(うむ…もどかしいが今は繋ぎ止めておかねば…)」
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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