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「竈門少女、今月末に中間テストがあるのは知っているな?」
「はい。今朝のHRで悲鳴嶼先生が言っていました」
「うむ!話は早い!君に伝えておかねばならないことがあってな…」
煉獄は持っていたマグカップを置くと眉を下げてAを見た。
「テストの大体二週間前からどの教科担当も生徒の準備室への立ち入りを禁止する。俺たちはそれぞれ準備室でテスト問題を作成や採点をするからな、問題の盗み見や回答の改竄を防ぐためだ。席を外す時にも必ず鍵をかけることにしているぐらい徹底していてな…」
「…なるほど」
「君とて例外ではない。…つまり来週からテストの返却が終わるまで、こうして片付けやお茶はできなくなる」
「…そう、ですよね…わかりました。私もテスト勉強に集中したいと思います」
「理解があって助かる!頑張りなさい!俺も君とこうしている時間がとても楽しいのだがな…」
「またテストが終わったら来てもいいですか?」
「無論だ!むしろお願いしたい!…ところで君にとっては高校に入学してから初めてのテストになるが…何か相談があれば遠慮なく聞くぞ!」
その言葉に顔を上げたAはいい機会とばかりに口を開いた。
「その、日本史の勉強の仕方についてアドバイスが欲しいです。もちろん丸暗記って方法もあると思いますが他の効率的な勉強方法を…」
「なるほど!ちなみに君のクラスの歴史担当は?」
「ええと、小林先生で…あの、本当は担当の先生に聞くべきかもしれないんですけど」
「構わん!あぁ、小林先生か。なら……」
そこから煉獄は教師らしく色々な勉強方法を教えてくれ、Aはふむふむと熱心に頷いていた。
暫くは真面目に話し込んでいた二人だったが、最終下校のチャイムの音にハッとなる。
「む、随分と話し込んでしまったな!もう下校の時間だ」
「あ…すみません、長々と」
「俺が色々話をしてしまったからな。さぁ、昇降口まで送ろう。…おいで」
「はい…」
昇降口まで行くと煉獄はにこりと笑って手を振った。
「気を付けて帰りなさい」
「はい。…ありがとうございました、先生。これでテスト勉強頑張れそうです」
「それは良かった!……あぁ竈門少女、少しこちらに」
「…?はい」
少しだけ距離を詰めると煉獄の腕が伸びてきて優しく前髪を梳かれた。
「勉強熱心なのはいいが体には気をつけなさい。君は昔から…無茶をすることが多かったからな」
「っ、」
低く囁く煉獄に息が止まりそうになる。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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