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「ご冗談を!あの子は…」
「確かに前世では相思相愛の夫婦だったからな、お前らは。けれど今世では教師と生徒だし歳も離れてるからなぁ。…お前、相変わらず見合いの話もバンバンきてるんだろ?」
「…よくご存知で」
顔を顰める煉獄。
昔から続く名家という立ち位置の煉獄家。
そこの長男となればこの時代になっても見合いの話は頻繁に出てくるものだ。ましてや煉獄は顔もいいし、誰に対しても当たり障りなく付き合える。
今までは仕事が忙しく興味がないと上手く躱していたし、そもそも今世でも瑠火や槇寿郎が理解を示してくれて煉獄の所に話が来る前に断ったりしてくれていた。
「Aは物わかりがいいからなぁ〜、見合いがきてるって知ったら身を引いちまうかもな」
「…そしたら捕まえるまでです」
「俺も今度こそ嫁にしたいなーとか思ってるし。ほらあいつ、前世の記憶抜きにしても良い子だろ?料理は変わらず美味いし、昔から慕ってくれるし」
「雨宮殿…!申し訳ありませんがあの子は譲れません。教育者として今は手を出せない身ですが…」
「ま、何でもいいけど。俺はほら、近所の優しーいお兄さんだし?昔から竈門家とお付き合いあるし?歳の差はあれどAの両親からも信頼されてるし」
「雨宮殿…三十の男性が自身をお兄さん、は流石にきついかと」
「るっせえ!心はいつまでも若いんだよ!」
ちなみに店の手伝いをしながらチラチラと二人の様子を見守っているAはちょっとハラハラしている。
たまに煉獄の背中からどす黒いオーラが湧き出ているからだ。
「A、どうしたんだ?」
「炭治郎…煉獄先生が変なオーラ出してる」
「そ、そうだな…」
炭治郎は知っている。煉獄から出る匂いが嫉妬の匂いであることを。
「(たぶん雨宮さんがAの事で煉獄先生を煽ってるんだろうなぁ…)」
「大丈夫かな…?前世でもそこまて仲悪くなかったと思うけど…たまに刺身包丁投げるくらいで」
「ああ…Aのことになると雨宮さんも結構アレだったよな…」
遠い目をしながらも大丈夫だ、気にするなと声をかけて炭治郎は仕事に戻っていった。
雨宮は今日初めて煉獄とAが揃うのを見た。
煉獄が入ってきた時のAの嬉しそうな顔。
Aを見た時の煉獄の愛おしそうな顔。
前世と変わらない。
どちらも無意識だろうが…雨宮から見れば相思相愛なのは一目瞭然だ。
それでもお互い、一線を超えまいと常に気をつけているような状態。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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