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「失礼する!」
カラン、と音がしてまた入口が開いた。…と同時に聞き慣れたクソデカボイスが聞こえた。
「わっ…!いらっしゃいま…煉獄先生っ…!?」
「竈門少女か!君の話を聞いていたらすぐにでもここのパンを食べたくなってしまってな、早速来てしまった!」
「わ、ぁ…!嬉しいですっ」
「む、隣の男性は…"はじめまして"か!俺は煉獄杏寿郎、この子の通う学校の歴史教師をしている!」
「こいつ…!」
にこりと笑って雨宮を見る煉獄だが、記憶があるのを知っていながらあえて"はじめまして"を強調する。その目は露骨に牽制しているのがよくわかった。
雨宮も雨宮で、煉獄に記憶があるのをとっくに知っているしその視線に込められた意味もよーーくわかっているから、ヒクヒクと顔を引きつらせながら煉獄を見返した。
バチバチバチ!!
二人が無言の威嚇をし合う。
「あ、あの…」
「はいはーい、二人共邪魔なのでイートインスペースに行ってくださいねー」
異様な雰囲気にどう声をかけようか悩んでいたAだったが、パンを持って出てきた禰豆子が追い払うように二人を奥のスペースに追いやった。
「ね、禰豆子っ」
「困るんですよ、混んでるのにここで見つめ合われても。煉獄先生はパンを選んでくださいね?ほら雨宮さん、お会計とうぞ?」
「おう。ついでにコーヒー頼む〜」
「うむ!すまない竈門少女、お勧めを教えてくれるか?」
「あ、はい。くるみパンが焼き立てですけど…煉獄先生お芋が好きでしたよね?こっちにお芋のデニッシュが…」
…一番強いのは禰豆子かもしれない。
イートインスペースに並んで座る二人(何だこの構図…)。
「…久しぶり…というべきか?炎柱」
「お久しぶりです、雨宮殿。竈門少女から話は聞いております…よもや貴方も記憶があるとは…」
「ま、昔からな。お前は…"竈門少女"か。…あいつとは随分と距離が遠くなったなぁ」
「あの子が高校を卒業するまでの辛抱です。卒業したら…」
「プロポーズでもするってか?」
「無論です!前世でも今世でも俺の愛する妻はあの子ただ一人!誰にも渡しはしません」
「どうだろうなぁ〜?あいつは案外、お前を諦めて別の男と結ばれるかもしれねーよ?」
「!!」
雨宮がけらけらと笑って言えば、煉獄の持っているコーヒー(パンとセットで買うと10円引きてすよ、と禰豆子がさりげ無く買わせた)の紙コップがぐしゃりとひしゃげる。
あの子が別の男と…?
想像もしたくない!
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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