手伝い ページ26
家に帰ると炭治郎にだけこっそりと煉獄の手伝いをすることを話した。炭治郎なら周りにペラペラと話すようなことはしないだろう。
炭治郎は何故かとても喜んでくれ、店のことや弟妹の迎え等は自分がやると言ってくれる。
「こっちのことは俺に任せてくれ!Aは煉獄先生の手伝い頑張れよ!」
「う、うん」
何か喜びすぎてないか?と思うが快諾してくれたことに感謝しつつAは頷いた。
炭治郎にとって、前世で煉獄が自分の片割れを溺愛し大切にしてくれているのはとても嬉しかった。
二人が一緒にいるとこれでもかと甘い匂いがし、本当に愛し合っているのが伝わってきたし、何より苦楽をともにした大切な家族が幸せになるのは嬉しいものだ。
しかし…
時を経て再開した二人は教師と生徒という関係になっていた。当然更に年の差も開いた。
入学式でそれを知った妹の匂いは…恋しさと、悲しさ、苦しさ…とにかく複雑だったのをよく覚えている。
記憶がなければまた違ったのだろうが…
反対に煉獄からは、前世と同じAへの甘い匂いがこれでもかとした。そこに我慢している、耐えている匂い。
そして……捕食者の匂い。
「(あぁ…煉獄さん…煉獄先生は生まれ変わってもAを手に入れるつもりなんだ)」
けれどAは思った以上に物わかりが良すぎて逆に諦めが早くて。世間体とか色々な事情を理解したAは煉獄と距離を置こうとしていた。
そんなAの複雑な気持ちを知りつつ、でも幸せにはなってほしい。
そんな時に、教科係でもないのに準備室の整理を頼まれた。
「(煉獄先生、動き出したな)」
ならば否定の反対もする理由はない。
炭治郎はニコニコしながら戸惑う妹を激励した。
翌日、放課後になると少し緊張した面持ちで社会科準備室を訪れた。
歴史の教員は何人かいるが、全員には個別の準備室が与えられているあたりこの学校の広さが伺える。
控え目に扉を叩けば中から返事が返ってきた。
「煉獄先生…あの、竈門です」
すぐに扉が開く。
「あぁ、待っていたぞ!さぁ入っておいで」
「失礼します…」
さっぱりとした準備室には机と椅子と…何故か応接用のソファーにテーブル。奥には大きな本棚があって入り切らない本が下に積んである。開封していない段ボールも数箱置いてあるからスペースが無くてそのままなのだろう。
煉獄が苦笑した。
「見ての通りだ。恥ずかしながら整理が追いつかなくてな」
「…資料、本当に沢山ですね」
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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