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「これから帰りか?」
「あ、はい。不死川先生にプリントを届けて帰るところです」
「教科係の仕事か…うむ…」
煉獄は何かを考え込んだ後にバッとAを見た。
「君、週一くらい放課後時間はあるか?」
「え?ええと…大丈夫ですけど…」
教科係の話をしたら、両親から家のことは後回しで学校生活優先にしなさいと言われたのは記憶に新しい。
それに最近は禰豆子や弟の竹雄が両親を手助けしてくれているというのも大きい。
何なら部活でも入ってみたら?とまで言われているのだ。
「そこまで遅くならなければ…両親も家業の手伝いより学校の事を優先しなさいって言ってくれていますし」
「それは好都合!では、週一で構わないから社会科準備室で資料の整理を頼めないだろうか?」
「資料の…整理…?」
「うむ。歴史の授業では色々と古い資料や写真などを使うことが多いのでな!すぐ散らかってしまうんだ。…だが俺も授業の準備でゆっくり片付けする暇もない!だから、頼みたいんだが…」
思わぬ頼み事に目をパチパチとさせるA。
だって、さっきの女子生徒の話だと社会科準備室に生徒は長居させなくて…提出物を置いたらすぐ帰らせるって…
「その…いいんですか…?私、生徒なのに」
「うん?」
「そんな授業に使う大切な資料の整理なんて…それに先生の部屋に長居することに…」
「君なら信頼できるし資料だって大切に扱ってくれるだろう?見られて困るようなものではないしな。それに俺の方から頼んでいるんだ、早く出ていけなんて言わん!」
それとも、無理そうか…?と眉を下げられて言われればそれ以上否定することはできなかった。
まして信頼していると言い切られてしまえば…
「お手伝い、させてください」
「ありがとう!ではいつからがいいだろうか?今日はだいぶ時間が過ぎてしまったからな…」
「明日からは…どうですか?」
「構わない!では明日の放課後、社会科準備室に来てくれ!俺は担任を持っていないから放課後は大体職員室か準備室にいる。…頼んだぞ」
「はい」
「では昇降口まで送ろう!…おいで」
手こそ繋がないものの、"おいで"と言われるとどうしても自然に体が煉獄の方に引き寄せられてしまう。
それは前世からAの体と魂に染み付いた癖なのかもしれない。
「(ちゃんと、距離を置きたいのに…離れたいのにどうして上手くいかないんだろう…)」
煉獄がそんなAを口角をあげて見つめていたのには気づかなかった。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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