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「…師範は…私よりずっと早く思い出していたんですか?」
「まぁな。勿論お前の家と関わりを持ったのは偶然だが。お前は記憶が無かったし思い出さなければそれでもいいと思っていた」
「…そう、なんですね」
「お前の周りの元鬼殺隊士たちも記憶を取り戻しているようだな」
「…、はい」
何故雨宮が知っているのだろう。
そんな疑問が顔に出ていたのだろうか。雨宮は小さく笑って答えた。
「俺が扱うのは今も昔も"情報"だ。ま、それだけは知っておけ」
「…師範、生き生きしてますね」
「まぁな。この時代はいいな!インターネットっつー便利なものがあるから情報も集め放題だ。ま、その分取捨選択は慎重になるが…ちょっと頑張れば対象の個人情報くらい容易く抜き取れる」
「犯罪です」
「試しに炎柱の情報でも引っこ抜いてくるか?同じ学校にいんだろ?」
「だから犯罪ですって…。それに煉獄先生と関係があったのは前世です。…前世で夫婦だったからといって今世でも結ばれなきゃいけないなんて、決まりはないですので…向こうも、生徒とだなんて…迷惑なはずです」
自分で言っておいて、胸がジクリと痛む。
大好きな煉獄。今世でも一緒にいられれば幸せだっただろう。
けれど、前世で夫婦だったから今世も当然…なんて都合が良すぎる。そんな事を言うのは我儘が過ぎる気がして。記憶があっても前世は前世、今は別の時代を生きる違う二人なのだ。
…そう思って煉獄への気持ちに蓋をしているのだけど…
「この時代では炎柱との縁を諦めると?」
「年も離れていますし…何より教師と生徒です。…今は大正の時代より世間もうるさいでしょうし。前世に縛られてはいけないと…思っています」
「ふぅん?ま、恋愛は自由だ。お前がそれを望むなら俺は止めないがな…時代が変わっても、お前は俺にとっては可愛い弟子だ。お前が苦しむ姿は見たくねぇ」
前世を思い出した以上、その記憶に影響されないのは難しい。ましてや恋心、好き嫌いとなれば。
Aが煉獄を今でも好きなのは目を見ればすぐわかる。
煉獄の名前を語る時にはどこか嬉しそうなのだから。
そして煉獄も…学校ではAを随分特に気にかけているのだという。コンプライアンスの範疇で、だが。
つまり……両想いなのだ、この二人。
「(あ"〜〜面倒くせぇなクソー!)」
前世がどうとか教師と生徒がどうとか…うだうだしてないではよくっつけ!
…と言いたい。
けれど世間が許さないというのも確かにあるのだ。
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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