見知った顔 ページ13
ドタバタな学生生活に慣れてきた頃。
四月も終わりに近づきゴールデンウィークを待ち望む生徒も出てきたある日。
炭治郎たちと廊下を歩いていたAは前から一人の男子生徒が歩いて来るのに気付いた。
特に何を思うこともなく道を譲ろうと廊下の端に寄ろうとしたが…その男子はAたちを見るとハッとしたように息を呑み足を止める。
こちらを凝視している。
それに気付いたAたちも足を止めた。
「お前達…は…」
「??」
その様子に首を傾げるA。
炭治郎の知り合いだろうか、と振り返っても炭治郎も首を振った。
その男子は近づいてくる少し気まずそうに口を開いた。
「竈門炭治郎…だな?」
「そうだ!…えっと君は…」
「…俺の名前は…素山狛治…いや、こういった方が分かりやすいか」
そしてその男子から衝撃的な言葉が紡がれた。
「前世での名前は…猗窩座。…元上弦の参だ」
ゴスッ!
「ごふっ」
Aの華麗な腹パンが見事に狛治の鳩尾に決まった。
「Aちゃぁぁん!?」
「わー!落ち着くんだA!」
「今のいも子のパンチすげぇな!」
三者三様の反応をする中、目が座っているAはボソリと呟いた。
「前世の夫の恨み」
次は左目だ!とシュッシュッシュッ!と空中に拳を突き出しているAを兄は必死に押さえていた。
「駄目だぞA!いや気持ちは…ちょっとだけわかるけど!俺も頭突きしたい気持ちはあるけど!」
「お前はフォローしたいのかしたくないのか…どっちなんだ」
Aに殴られた所をさすさす…と擦りながら狛治は呟いた。心なしか然りげ無くAと距離を取っている。
「いいパンチだ。お前も「うるさい喋るな悪鬼滅殺」
「お、落ち着こうかAちゃん!え、上弦の参ってあの無限列車の…!?」
「…そうだ。あの夜、杏寿郎と闘い…無限城では義勇と炭治郎と杏寿郎、そこの竈門Aと闘い消滅した」
「うわあ…まさか鬼がいるなんて…」
確かに鬼殺隊士だけが記憶があるとは限らない。
鬼だってあの世で罪を償えば人として転生するかもなぁ〜とやっと冷静になってきた。
すると狛治がポツリと言った。
「…すまなかったな」
「え…?」
まさかの言葉にA達は目を見開く。
「前世では俺も色々あって無惨様と出会い鬼になって…多くの人間を殺した。勿論鬼殺隊の奴らもな」
「…まぁ、そうでしょうね」
「今世ではそれなりに真っ当に生きるつもりだ。…妻もいるし」
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紫音(プロフ) - スーちゃんさん» 遅くなりすみません。夢主ちゃんも色々悩んでますが、煉獄先生も頑張ってます(笑) (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 1999karuma@gmail.comさん» 遅くなりすみません。今世ではまた今世ならではの問題が色々ありますからね…幸せにしてあげたいです! (1月26日 4時) (レス) id: 3cb916d102 (このIDを非表示/違反報告)
スーちゃん - 卒業まで付き合うこともキスもできないですね。卒業まで我慢ですね‼️がんばれ煉獄先生‼️ (10月31日 16時) (レス) @page4 id: 75511c09b5 (このIDを非表示/違反報告)
1999karuma@gmail.com(プロフ) - 今世ではどんな試練が待ち受けてるのか…。前世で大変な思いをした分、少しでも幸せに過ごして欲しいですね😍 (10月30日 21時) (レス) @page3 id: 754e2c97e2 (このIDを非表示/違反報告)
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