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伊之助が寝ている病室に入る。
さすがに猪の被り物はとってあるのか枕元に置いてあった。


「……伊之助?」

「はっはー!寝過ぎたぜ!」

「…………元気だね」

「何だ!シケな顔してんなぁ、いも子!」

「………いも子じゃないA」

「俺様は「伊之助君?」


鬼の形相をした胡蝶が後ろから顔を出した。


「安静に、といったはずですが……?」

「ゴメンナサイ」


猪の被り物を物凄い勢いで被り、プルプルと震える伊之助。


「……杏寿郎さん、しのぶ様って」

「…うむ…ある意味柱で一番強いというか何というか…」



それを見ながらコソコソと煉獄と話をしていると胡蝶が笑顔のままこちらを向いた。


「何か仰いましたか?二人とも」

「……ひぇ。な、にも…」

「うむ…」




暫くして、胡蝶は伊之助にブスッと注射を打ち込むと部屋を後にした。
眠っている伊之助を見て何を打ったかは…聞かないでおく。

Aは部屋を出ると炭治郎の部屋に寄ってもらった

まだ目覚めぬ兄の手をそっと握る。


「…伊之助も目を覚ましたよ…炭治郎、あとは炭治郎だけだよっ…!」


握った手にそっと治癒の光を灯す。
こうすれば、炭治郎の体が癒えると信じて。


「竈門少年、あまり妹を心配させるな。君の目覚めを待っているぞ。……心を燃やせ」


煉獄も静かに声をかける。





「杏寿郎さん、最後に師範の所に…」

「む、しかし」

「少しだけ、です。…師範がいなければ私はとっくに上弦の壱の手に落ちてましたから…」

「……ほんの少しだぞ。それが終わったらベッドに戻す」


少し渋い顔をした煉獄にお礼をいうと、スタスタと雨宮の病室に連れていってくれた。




「……師範?」

「…おー、A。無事か」

「お陰様で…」

「ぶっ、お前、炎柱を運搬係にしてんのか!イテテ…」



抱き上げられたAを見た雨宮が吹き出した。その拍子に傷が痛んだらしい。


「治るまでは俺がしっかり面倒みます故に心配は無用です!」

「はっはっはっ!そっちは心配してねーよ!ま、俺もお前も生きてて何よりだ。…上弦が本気を出していたら…俺はお前を庇う余裕なんざ無かった。お前も治癒の力を使う間も無く殺されていただろうな」

「……はい」

「お前が弱いというより上弦が強いんだ。…炎柱、お前も参とやり合ってわかってるだろ」

「……無論です」

「まぁ、上弦の壱はお前を観察に来ただけ…それが幸運だった」

「……どうして、でしょうか」


Aは呟いた。

.→←目覚め



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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時

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