炎柱の稽古 ページ48
朝餉を済ませ、体がちゃんと動くことを確認した後。何故か用意してあった袴を穿き煉獄と共に庭に出た。
すぐに竹刀を渡される。
「始めようか！実家なら道場なんだがな。庭でいいだろう！ 」
「……お願いします、"炎柱様"」
ここからは煉獄は恋人ではなく上官。
情けない姿を見せれば自分だけでなく育ててくれた雨宮まで呆れられてしまう。
「ではまず手合わせといこう！行くぞ！」
「はいっ…！」
二人が同時に踏みこむ。
「……！(師範とはまた違う、打撃が強い！)」
煉獄も本気は出していないのだろう。
冷静に全ての攻撃を捌ききる。
「はぁっ！」
「むっ」
身を低くして竹刀を一気に振る。
それを煉獄が受け止めそのまま打ち返してきた。
体を捻ってそのまま回転し、滑らかに煉獄の竹刀を払う。
「うむ！君は柔軟性が飛び抜けてるな！しなやかで無駄の無い動きだ！」
「…月の呼吸の技には…技をいなしたり回転によって弱める型があるので…体は常に柔らかくしておけと言われています」
「なるほど！では続けるぞ！」
「はいっ」
徐々にスピードを上げ、容赦なく攻撃を仕掛けてくる煉獄。
耳元で躱した竹刀が風を切る。
必死で竹刀を受け、なんとか攻めるがすべて防がれてしまう。
「相手の手数が多いからと焦るな！落ち着いて剣の軌道をよく読め！集中！」
「っ、はい！」
本当に煉獄は容赦ない。
剣もそうだが、気迫も凄いのだ。気を抜けば体が震えそうになる。
「(…そんな、弱い姿は絶対に見せない…！杏寿郎さんを倒す気でいく…！)」
Aは意識を集中するとキッと煉獄を睨んで踏み込んだ。
手合わせを始めてどれくらいたったか。
「あぐっ…！」
ついに煉獄の竹刀がAの竹刀を弾き飛ばした。
ピタリとAの首筋に剣先をつける煉獄。
竹刀を握っていた手はビリビリと痺れていた。
「ここまでだ」
「っ……ありがとう、ございます」
煉獄がふぅっ、と息をつくと空気が緩む。
Aも疲労からかペタリと座り込んだ。
「…上出来だ。まだまだ未熟な所は勿論あるが…周りの隊士と比べても優秀だろう」
「…そんな、言い過ぎです」
「俺は鍛練中は過大評価も過小評価もしない。よく素人からここまでのものになった。雨宮殿の手腕と君の努力の賜物なのだろうな！」
「…炎柱様に比べたら…未熟です…」
「だが女は男に力で劣る分、柔軟性やしなやかさに優れている。俺も君から見習わなければならない！」
煉獄は笑った。
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柚葉(プロフ) - 心頭滅却！…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (
レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です！更新頑張りますね！ (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね！あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった！！ (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫音
| 作成日時：2021年9月5日 13時
