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少し※
入浴を済ませ買ったばかりの浴衣を身に纏って部屋に行くと入れ違いに煉獄が風呂に向かった。

火照る体を冷まそうと縁側に座り月を見上げる。
今日は満月のようだ。

明るい月を見上げれば何だか心が落ち着くような気がした。




「冷えてしまうぞ」

「っ、杏寿郎さん…」


首に手拭いをかけた煉獄が音もなくやってきた。
それを見上げたAの胸がドクンと高鳴る。


「(色気が半端ない…)」


髪から滴る水滴。
少し赤い頬。
精悍な顔を照らす月明かり。


思わず見惚れてしまう。



「こら」

「あっ、」


おでこをトンッと指で突かれ我に返る。


「…そんなに食い入るように見つめられると照れてしまうな!」

「…す、すみ…ません。杏寿郎さんが、とても艶めかしくて……」


小声でそう言えば、煉獄は軽く目を見開いた後Aをそっと抱き上げた。
そしてそのまま部屋に入る。


「杏寿郎、さん」

「君は本当に俺を煽ってくれる」


すでに敷かれていた布団の上に胡座をかいて座ると、その上にAを横抱きのまま座らせた。


「君の方が余程美しい。月明かりに照らされて…天女のようだったぞ」

「……それは言い過ぎかと」

「そんなことはない。君は何時だって美しい」

「っ、ん…!」


煉獄が優しく顎を掴み、唇を重ねる。
最初は啄むように。
やがて押し付けるように長い口付けになってくる。


「やっと君を堪能できる。…今夜は俺だけを見て俺だけを感じなさい」

「杏寿郎、さん」

「ふふ、大丈夫だ。ゆっくり進めるからな。何も怖くはない。俺に全て預けてくれ。ほら、まず口付けを沢山しような」

「ん、んんっ」


唇を舌でなぞられたAは従順に口を開く。

すぐに煉獄の舌が入り込んできてAの舌を誘い出した。
それに応えて舌を伸ばせば途端に絡めとられ吸い上げられる。


「ふ、んんっ…!」

「っは…もっと口を開いて…そう、良い子だ…」


貪るような口付けが続く。
煉獄は一度唇を離してAの体をそっと布団に横たえた。
そしてすぐにまた唇を塞ぐ。


「んんっ、ふ…っ」


くちゅりと水音が響く。
落ち着かせるように頭を撫でられながらも上顎をなぞられて少しずつ力が抜けていった。


「ふふ、蕩けた顔をしているな…官能的だ」

「ぁ…杏寿郎、さん」

「さぁ、そのまま力を抜いていなさい。何も心配するな。ただ、気持ち良くなるだけだ…」

「は、はい……」



ゆっくりと覆い被さってきた煉獄にAはそっと目を閉じた。

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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時

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