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「…本当に、ありがとうございます」

「気にするな!俺は君が好きすぎて何でも買い与えたくなってしまうんだ。只でさえ君は物をねだってくれないからな!」

「……物を買って貰うために、杏寿郎さんと恋仲になったのではないです。杏寿郎さんが好きだから、一緒にいられれば…それで…」


言葉が尻すぼみになっていくAに煉獄の理性がグラリと揺れる。


「…口付けをしたい」

「……人前です」

「…抱き締めたい」

「……往来です」


ポンポンと言葉を返すがAの心の中ではダラダラと汗が流れている。
何とか攻撃を捌ききり(?)炎柱邸に着いた。




荷物を置くと、パタパタと夕餉の支度を始める。
昼間に余った芋で天ぷらを作り、他に汁物や和え物、魚を焼いて沢山並べた。

多すぎるかと思ったが煉獄は食べる。
凄い食べる。
めちゃくちゃ食べる。

たぶん、うちの兄妹たちの食事量を合わせても煉獄には及ばない気がする。



「…杏寿郎さん、できました」

「ありがとう!運ぶのを手伝おう!」



その夜もわっしょい!が屋敷に響いた。



食後の片付けをしていれば「風呂を沸かしてこよう」と煉獄が歩いていった。


「………風呂」


ここでやっと今日は炎柱邸に泊まるんだということを実感する。

それはすなわち……夜の……



「っ〜…!」


煉獄は"全てを欲しい"といった。
自分はきちんと返事をしていないが、ここに泊まる選択をした時点で合意なのだろう。


恥ずかしい。
その一点につきる。


洗い物を終えて顔を手で覆い、うぁー!と心の中で叫んでいれば、


「どうした?どこか辛いのか?」

「ひゃっ!」


渦中の相手がいつの間にか隣にいた。


「驚かせてしまったか!ふふ、気配を探れないとはまだまだだな」

「……それ、家の中で必要ですか」


そう言いながらも目を合わせられずフイッと目線を反らす。
勘の良い煉獄はAの顔を見れば何を考えているかすぐにわかった。


「…可愛いA。一体何を考えて顔を赤くしていたのだ?」

「…え、あ…」

「俺に抱かれることか?」

「っ……!」


煉獄は言葉を失ったAの手を掴むと、手の平をペロリと舐めた。


「っあ…!」

「案ずるな、今夜現実にしてやるからな…もう少しだけ、良い子で待っていなさい」


な?と優しく囁かれて体が震えた。
それを楽しそうに見やり、前髪を掻き分けて優しく口付けを落とした煉獄は「君が先に風呂に入りなさい」とAの手を引いた。


ーー。

裏に入ります

.※→←.



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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時

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