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.※ ページ31

少し※
「あ、あの…」

「ん?」


頭上から煉獄の声が降ってくる。

胡座をかいた上に背中を預ける形で座らされ、後ろから煉獄が腕を回して書を持っていた。


「杏寿郎、さん」

「どうした?次の頁をめくるか?」


煉獄が喋る度に吐息が頭にかかる。
そちらに意識がいってしまい全然書に集中できなかった。
そんなAにとっくに気づいている煉獄は面白そうに喉を鳴らした。


「ふ、ほら集中。せっかく雨宮殿が貸してくれたんだぞ?」

「で…できませんっ」

「こら。暴れるな。これからこういったことを沢山するんだ!慣れてもらわないとな」

「た、沢山って…」


突っ込みたいところはある。
しかし、もぞもぞとする体を抱き込まれ煉獄が見出しを読み初めたので、Aも全集中!と心の中で叫びながら意識を無理矢理書に向けた。






慣れというのは恐ろしいもので。
気が付くと煉獄の腕の中に収まりながらも書に夢中になっていた。


「…ここまでにしよう」

「……!」


パタンと煉獄が書を閉じる。
その声にハッとなったAはそっと息を吐き出した。



「…何か、沢山の情報があって…処理しきれないです」

「うむ。まずは全てを読んで意見を擦り合わせようか」



頭の中ごちゃごちゃだーと思っていれば煉獄に持ち上げられ向かい合わせにされた。


「中々の集中力だったな!こちらが物足りなくなったぞ!」

「………それはどうかと」


外を見れば日が傾き始めている。
そろそろ夕餉の支度かな?と思えば顎を掴まれて上を向かされた。


「きょ、んっ…んっ!」

「やっと俺の屋敷に連れてこられた…A、今夜は逃がさんぞ?宣告した通り君の全てを貰いたい」

「え、あ」



熱の籠った目で見つめられて体温があがる。


「あの、私っ」

「君は自らここに足を踏み入れたんだ。今更拒否はさせない。いいな?」

「ひぁっ!」


煉獄の舌がねっとりとAの耳を攻める。
力が抜けたのを見た煉獄はそのまま畳の上にAを組み敷いた。


「ま、待って…!」

「まだしないさ。だが少し味見をしよう」

「んっ…!」


再び重ねられた唇。
煉獄の舌が口内に入り込み、Aの舌を誘い出す。それに応えれば何度も何度も絡められ、吸われた。


ゆっくりとAの口内を隅から隅まで堪能し、舌先で上顎を執拗になぞる。
するとAの口からは吐息が漏れた。


「…っは…ふふ、君は上顎が気持ちいいのだな」

「っ、や……!」



Aは目を反らした。

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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時

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