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少し※
「あ、あの…」
「ん?」
頭上から煉獄の声が降ってくる。
胡座をかいた上に背中を預ける形で座らされ、後ろから煉獄が腕を回して書を持っていた。
「杏寿郎、さん」
「どうした?次の頁をめくるか?」
煉獄が喋る度に吐息が頭にかかる。
そちらに意識がいってしまい全然書に集中できなかった。
そんなAにとっくに気づいている煉獄は面白そうに喉を鳴らした。
「ふ、ほら集中。せっかく雨宮殿が貸してくれたんだぞ?」
「で…できませんっ」
「こら。暴れるな。これからこういったことを沢山するんだ!慣れてもらわないとな」
「た、沢山って…」
突っ込みたいところはある。
しかし、もぞもぞとする体を抱き込まれ煉獄が見出しを読み初めたので、Aも全集中!と心の中で叫びながら意識を無理矢理書に向けた。
慣れというのは恐ろしいもので。
気が付くと煉獄の腕の中に収まりながらも書に夢中になっていた。
「…ここまでにしよう」
「……!」
パタンと煉獄が書を閉じる。
その声にハッとなったAはそっと息を吐き出した。
「…何か、沢山の情報があって…処理しきれないです」
「うむ。まずは全てを読んで意見を擦り合わせようか」
頭の中ごちゃごちゃだーと思っていれば煉獄に持ち上げられ向かい合わせにされた。
「中々の集中力だったな!こちらが物足りなくなったぞ!」
「………それはどうかと」
外を見れば日が傾き始めている。
そろそろ夕餉の支度かな?と思えば顎を掴まれて上を向かされた。
「きょ、んっ…んっ!」
「やっと俺の屋敷に連れてこられた…A、今夜は逃がさんぞ?宣告した通り君の全てを貰いたい」
「え、あ」
熱の籠った目で見つめられて体温があがる。
「あの、私っ」
「君は自らここに足を踏み入れたんだ。今更拒否はさせない。いいな?」
「ひぁっ!」
煉獄の舌がねっとりとAの耳を攻める。
力が抜けたのを見た煉獄はそのまま畳の上にAを組み敷いた。
「ま、待って…!」
「まだしないさ。だが少し味見をしよう」
「んっ…!」
再び重ねられた唇。
煉獄の舌が口内に入り込み、Aの舌を誘い出す。それに応えれば何度も何度も絡められ、吸われた。
ゆっくりとAの口内を隅から隅まで堪能し、舌先で上顎を執拗になぞる。
するとAの口からは吐息が漏れた。
「…っは…ふふ、君は上顎が気持ちいいのだな」
「っ、や……!」
Aは目を反らした。
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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時