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「ま、お前はまだ本格的な鍛練には早いがな。もとの体力を取り戻すのと、退院したとはいえ静養が必要だろ」
「……仰る通りで」
「で、お前にこれ渡しとくわ。失くすなよ」
雨宮がポイッと渡してきたのは【雨宮家 鬼殺隊ノ歴史】という題が書かれた数冊の本だった。
「年代物だが一応代々の雨宮が修復してる。今日はこれを渡すために戻って来たようなもんだ」
まだ退院許可おりてないんだよなーとぼやく雨宮。
Aの倍は上弦の壱の攻撃を受けている雨宮の傷は深い。縫われ輸血されているがそれでもまだ完治はしておらず、胡蝶曰く感染症等に十分に気を付ける必要があるのだとか。
だから雨宮自身も大人しく蝶屋敷にいるらしい。
「……ありがとう、ございます」
「炎柱の家の書と照らし合わせてみろ。…少しは役立つかもな」
「恐れ入ります！」
「おう。あ、Aー。お茶お代わり。飲んだら俺帰るわ」
「…はーい」
三人分の湯飲みを持って消えていったAを見送ると、雨宮は悪戯っぽく笑いながら煉獄を見た。
「炎柱、面白いこと教えといてやる」
「何でしょうか」
「当時の煉獄…炎柱はな、継国千代に好い人になって欲しいと告げたらしいぜ」
「………！」
「今のお前らみたいだなぁ〜」
「して、当時彼女は…！」
「…断った、らしい。なんせ兄がお館様を殺して鬼になったんだ。そんな事情で縁壱と共に鬼殺隊を抜けた身で、名家である煉獄の敷居は跨げませんとな。結局生涯頷くことはなかった」
「………なんと」
「お前らはどうなるんだろうな？どうせこの後お前の屋敷に連れてくんだろ？俺は何も言わねーが…あいつを傷付けるようなことをしたら…殺すぞ」
ふっといつものふざけた調子を引っ込める雨宮。
その目には弟子を想う気持ちが現れている。
「約束致します。あの子は俺にとっても一等大事な恋人です。決して無下には扱いません」
「ま、その辺は信用してるけどな。前にも言ったが、あの兄妹は運命を変える。けれどそれは辛い道を歩む可能性があるということだ。…支えてやってくれ。まだたったの十五歳なんだ。親弟妹を殺され鬼にされ、泣く暇も与えられずこの世界に入っちまった」
「…はい」
お茶を持ったAが戻ってくると、三人で和やかにお茶を飲み、雨宮は「蟲柱の薬苦いんだよな〜飲みたくねぇなぁ〜」と言いながら帰っていった。
「君は俺の屋敷においで」
「……え？」
「約束しただろう？退院したら炎柱邸に来ると」
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柚葉(プロフ) - 心頭滅却！…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (
レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です！更新頑張りますね！ (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね！あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった！！ (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫音
| 作成日時：2021年9月5日 13時
