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「……耳飾りと…"ヒノカミ神楽"は炭治郎が亡き父から引き継ぎました。代々、竈門家の嫡男が継ぐそうです。そして"絶やしてはいけない"と」

「む、そもそも何故神楽を?君の家系は神職ではないのだろう?」

「うちは炭焼きなので火を扱います。なので、新年には一晩中ヒノカミという神に神楽を奉納し、厄払いと同時に一年間の無病息災を祈るのだとか…」

「なるほど…しかし、一晩中とはまた…」

「おいA。具体的な内容はわかるか?」

「え、えと…雪の積もる山頂で十二ある型を何百回、何万回とひたすら繰り返し舞い続け奉納します。…型は、炭治郎に聞いた方が…」

「随分と過酷だな…!相当な体力が必要なのではないか!」

「はい。…ただ、父は病弱でしたがいつも当たり前のようにこなしていましたね…私は教わってないのでわかりませんが…確か『呼吸の仕方』がどうのって…」

「「呼吸?」」


雨宮と煉獄の声が重なった。



「…はい。『正しい呼吸ができれば一晩舞える』、と炭治郎に言っていたと思います」





その言葉に雨宮が頭をかいた。


「……なるほどな、見えてきた。十分だ」

「……はい」

「型とか呼吸は竈門炭治郎に聞いてみるか。…A、ありがとさん。お前のお陰でわかってきた」

「……はぁ。お役に立てたのなら…」

「お前ら兄妹はどういう星の下に生まれたのか…これも運命なのかねぇ。……炎柱、頼みがある」

「はい!」

「こいつは俺の弟子だ。治癒の力も含め可能な限り俺が鍛える、が…剣術についてはお前も鍛えてやってくれ」

「……!それは」

「…師範…?」

「お前には力が足りない。現にこの前上弦には手も足も出なかったしな。鍛えろ、A。これから生き残るために」

「っ、」

「勘違いするなよ?お前を捨てた訳じゃねぇ。炎柱の力も必要だから頼んだだけだ」

「………。わかりました。杏寿郎さん…いえ、炎柱様…どうかよろしくお願いいたします」



Aが煉獄の方を向いて頭を下げれば、煉獄は上官としての顔でしっかりと頷いた。


「うむ!俺とて君に死んで欲しくない!俺で良ければ君に稽古をつけよう。よろしく頼む!」


稽古つけたがり(善逸談)の煉獄は炭治郎や他の隊士に稽古をつけることがあっても、Aには雨宮という師範がいるので自重していた。
勝手に稽古をつけたり訓練に連れ出すのは、雨宮の許可無くしてはできない。それは継子でも同じだ。

だが、その雨宮から頼まれたのなら…遠慮はしない。

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柚葉(プロフ) - 心頭滅却!…笑ってしまった(^.^) (2021年9月30日 14時) (レス) @page47 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます。お誉めいただき光栄です!更新頑張りますね! (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 柚葉さん» ですよね!あそこで生きていたら…と思うと…生存夢の執筆に力が入ります笑 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 主人公の魅力が最大限に引き出される物語設定、人物設定が素敵です。続きを楽しみにしております。 (2021年9月27日 11時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 泣きながらも、読ませていただいてます。やっぱり生きててほしかった!! (2021年9月25日 23時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作成日時:2021年9月5日 13時

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