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鎮めたはずの煉獄の炎がまた燃え上がった…かもしれない。
「宇随……」
「……杏寿郎さん、怒らないで…」
キュッと手を握れば煉獄が少し大人しくなった。…気がする。
「っ、ははは!面白ぇな、お前ら!」
「天元様…お戯れが過ぎますよ?あれだけ痛い目にあったのに…」
「いやでもなぁ…今まで数々の見合いを蹴って女の気配すらなかった煉獄が…まさかこんな年下の女にぞっこんとは…春だねぇ」
「む!年下だが彼女は聡明だしとても愛らしいぞ?何なら今から存分に語っても…」
「……やめてくださいほんと。煉獄さんのお父様にしたのと同じことしますよ」
そう言うと宇随たちが首を傾げたので煉獄は実家に行ったときの話をしてやった。
「ぶ、ふはっ!あ、あの頑固親父に頭突き…しかも、股間を蹴ったって!お前らは…!」
「……私悪くないです」
「そうですよ〜!Aちゃん、嫌な男の人にはガツンと!」
「須磨、Aちゃんに変なこと言うんじゃない!」
大分盛り上がって宇随たちは帰っていった。
「ふぅ…全く」
「……宇随さん、何だか初対面の時と印象が変わりました。…お茶目なんですね」
「……お茶目、か?とにかく君は玩具にされないよう気を付けなさい」
そう言うと煉獄はAを抱き上げて病室を出た。
蝶屋敷の縁側に仲良く座り、煉獄が貰ってきてくれたお茶を飲んでいると煉獄は何やら隣からの視線を感じた。
「……どうした?」
「……何でも」
「む、先程からこちらを見ているだろう?何か気になることでもあるのか?」
「…………お見合い……」
「見合い?」
「……さっき宇随さんが…いっぱい話がきてたんですよね?」
「……まぁ、な」
大体何が言いたいかわかった煉獄は困ったように苦笑した。
「一応、煉獄家は代々炎柱を輩出している剣の名家…ということになっているからな。俺は長男だしまぁ…跡継ぎを、という意味でも当人の意思に関係無くそんな話が入ってくる」
「…………」
「だが俺は色恋など興味が無かったし、煉獄という名・財力、まぁあとは…顔に惹かれてくる女など御免だからな」
「……そうだったんですね…」
「あぁ、だが君は「杏寿郎さん」
Aが珍しく煉獄の言葉を遮って真っ直ぐとこちらを見つめた。
そして爆弾を落とす。
「……もし、お見合いを申し込んできた人の中で、杏寿郎さんに好い人ができたら……私も長女ですから、ごねずにちゃんと身を引きますので、大丈夫です」
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紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» コメントありがとうございます!宇随さんのシーン、楽しんでいただけて良かったです(^-^)書く方も楽しかったですよ〜!雨宮さんは、ヒロインを溺愛してるのでこんな呼吸も生み出しています笑 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - Topaz トパーズさん» おはようございます!コメントありがとうございます(^-^)ありがとうございます!宇随さんがボコられるシーン、楽しんでいただけたら幸いです(笑)これからもよろしくお願いします! (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
gn001yukaringo(プロフ) - 宇髄さん討伐編、お腹抱えて笑いました(笑)雨宮さんの呼吸がお茶目すぎますね(笑) (2021年8月31日 19時) (レス) id: be3c286e2c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 初コメ失礼いたします!この作品最初っから読みましたけど物凄く素敵な作品です!私的には今後の展開である煉獄さんと月柱さん(元)←名前忘れましたすみません が宇随さんをボコす場面を楽しみにしてます(笑)須磨ちゃん達に生暖かい目を向けられそうだな宇随さん (2021年8月28日 5時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» 煉獄さんは、玖ノ型ちゃんと使えますからね!宇随さんはどうなってしまうのやら…… (2021年8月26日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音 | 作成日時:2021年8月11日 13時