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「A?」
「…煉獄さん」
「涼んでいるのか?良ければ少し話をしないか」
「勿論です」
煉獄はありがとう、と隣に座るとAの腰を抱いて体を密着させた。
「あ……煉獄さんっ」
「ふふ、いいだろう?誰も見てはいない。君に触れていたい」
「……ずるい」
そう言いながらもそっと煉獄の浴衣を掴むA。
それを愛しそうに見て煉獄は口を開いた。
「雨宮殿に認めてもらったぞ!これでもう堂々と愛し合えるな!」
「あ、あいし……」
「可愛いな…真っ赤だ。ほら、顔を見せてごらん」
「………や、やだ…」
「ふふ、ではこれはどうだ?」
煉獄は俯いたAの顎をクイッと持ち上げる。
あ、とAが口を開く前に素早く唇を塞いだ。
「ん、んん」
「良い子だ…そのまま口を開きなさい」
その言葉に一瞬戸惑ったAだが、恐る恐るといったようにほんの少しだけ唇を開く。
その隙間に舌を押し込み、強引に抉じ開けて口内に侵入すればビクリとAの肩が跳ねた。
「ふぅ、んっ…んっ」
まだどうしていいか分からず逃げ惑う舌を絡ませ、何度も舐める。動きを覚えさせるようにゆっくりと絡め取ってやればAがギュッと目を瞑った。
「っは…」
「んんっ、んん、ぅっ…」
すがるように浴衣を握ってくるAの手を優しく擦ってやれば少しだけ力が抜けた。
それを確認した煉獄は弱いであろう上顎に丹念に舌を這わす。
くぐもった声がしてピクンッとAの体が跳ねる。
しばらくしてそっと唇を離せば銀の糸が二人を繋いでいた。
「っ、ぁ……」
「ほら、俺と君の混ざり合った糸だ」
わざと見せ付けるように指で切ってやり、それを舐めとれば顔を真っ赤にして背けてしまう。
「…煉獄さんは…意地悪です」
「ははは!すまんな、君が可愛すぎてつい虐めたくなってしまう」
機嫌を直してくれ、とAを抱き締めると抵抗もせず煉獄の腕の中で大人しくしている。
「…煉獄さんの馬鹿」
「機嫌を直してくれ、俺の可愛いA」
甘く、頭に響くような低い声。
それだけで何もかも許せてしまう。
なんでこの人は恥ずかしいことをポンポンと言えるのだろうか。
そんなことを考えながらAは小さく頷いた。
まるで手綱を握られた気分だ。
「A、そろそろ名前で呼んでくれないか?」
「え?」
唐突に煉獄がそう言った。
「君と恋仲になってからそれなりに時間が経った。そろそろ呼んでくれてもいいのではないか?」
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紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» コメントありがとうございます!宇随さんのシーン、楽しんでいただけて良かったです(^-^)書く方も楽しかったですよ〜!雨宮さんは、ヒロインを溺愛してるのでこんな呼吸も生み出しています笑 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - Topaz トパーズさん» おはようございます!コメントありがとうございます(^-^)ありがとうございます!宇随さんがボコられるシーン、楽しんでいただけたら幸いです(笑)これからもよろしくお願いします! (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
gn001yukaringo(プロフ) - 宇髄さん討伐編、お腹抱えて笑いました(笑)雨宮さんの呼吸がお茶目すぎますね(笑) (2021年8月31日 19時) (レス) id: be3c286e2c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 初コメ失礼いたします!この作品最初っから読みましたけど物凄く素敵な作品です!私的には今後の展開である煉獄さんと月柱さん(元)←名前忘れましたすみません が宇随さんをボコす場面を楽しみにしてます(笑)須磨ちゃん達に生暖かい目を向けられそうだな宇随さん (2021年8月28日 5時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» 煉獄さんは、玖ノ型ちゃんと使えますからね!宇随さんはどうなってしまうのやら…… (2021年8月26日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音 | 作成日時:2021年8月11日 13時